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(卯年の九月生れの女のからだ)をもつ二十歳のおそのを囲って有頂天になっていた偽座頭の彦の市だが、女の愛情が小間物行商の若い徳太郎にかたむいたことを知ると、けだものじみた嫉妬心に燃えた。彦の市は下っ端とはいえ、一応は盗賊〔蛇〕の十郎の配下だったが、徳太郎も〔尾君子小僧〕――つまり〔猿〕とあだ名された〔夜兎〕の角右衛門一味の盗人で、〔蛇〕の十郎から助っ人に借りられることになったのだったから、話はややこしい。 とどのつまり、徳太郎のほうが芝・北新網から内藤新宿・麹屋横丁へ彦の市を殺しに出向いたが……。 |
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