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0179科濃坂 権太坂

キャプション

権太坂とも云。

コメント

『雲霧仁左衛門〕(新潮文庫)前編[権太坂の夜]---。

仁左衛門一味の小頭・〔木鼠〕の吉五郎は、小柄だがきびきびした躰を程ヶ谷を出はずれた権太坂にあらわす。

別名・科濃(しなの)坂で、武蔵国と相模国の境にある。

池波さんは『江戸名所図会』から引く。
「---坂路の両傍には蒼松の老樹、左右に森列たり。坂の上にて右を望めば芙蓉の白峯玉をけずるがごとく、左をみ見れば鎌倉の遠山翠黛(すいたい)濃(こま)やかにして、実に、この地の風光また一奇観と称すべし」

この旅人は、江戸側から来ている。その目での右と左。
それはともかく、吉五郎は権太坂上の茶店に入った。仁左衛門の盗人宿の一つなことは、いうをまたない。

鬼平犯科帳文庫13「熱海みやげの宝物」p47(旧版)
に登場する。
現在よりも急坂で旅人はたいへん難儀をしたようです。
箱根駅伝コースは新道(国道1号線)の方でした。

江戸の当時は非常に急な坂で箱根越え一番の難所といわれ、そのため坂の途中で行き倒れになった旅人や馬を投げ込む為の「投げ込み塚」がありました。
現在は箱根駅伝コースになっています。

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