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0478六月一日富士講

『江戸名所図会』巻之五 玉 之部

キャプション

前夜より詣人多くはなはだ賑はへり。この日、麦藁細工の蛇(じゃ)ならびに団扇、五色の網など鬻(ひさ)ぐ。

『鬼平犯科帳』に登場

 [17鬼火―1 権兵衛酒屋]p9 新装9
 [17鬼火―2 危急の夜]p67 新装p70
 [17鬼火―4 闇討ち]p174 新装179

参考

麦藁製の蛇(じゃ)(『近世風俗事典』)

 

                                        2021   靖酔 鬼平熱愛倶楽部


 

コメント

山開き・富士詣で---富士講がさかんだった江戸では、多くの神社が境内にミニ富士を築き、旧暦6月1日に山開きをして登らせた。
本郷から駒込へ遷座した富士浅間神社のそれが『江戸名所図会』に描かれている。祭神・木花開耶媛(このはなさくやひめ)は嫉妬深く、自分より美人がくると雨を降らす。女連れの男性参詣人は義理にでも傘を持たないと恨まれる。
境内の屋台店では、五色の網や団扇、近所の農家手づくりの麦藁の蛇(じゃ)が売られた。
遷座前の社地が本(もと)富士で、隣の警察署の旧称でもあった。
(季刊雑誌『お元気ですか』2006年夏号の表紙裏のために書いたが、不発あつかいに)。

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