帰宅すると、お富は浅草観音や湯島天神の御札を出して見せるが、すぐ帰るといっても朝出て夕暮れになることもある。


湯島天神を取材したあとタクシーで大塚の波切不動へまわった、と池波さんがあるエッセーに記す。小説を子細に検証すると、現地をふんだ舞台背景と、切絵図だけですましたところとがあることがわかる。江戸を舞台にした池波小説の、次の研究課題といえそうだ。

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尾張屋版


湯島天神(『江戸名所図会』) 


 奉納絵馬
お札

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