お富は、根津門前町の総門前の茶店へ入った。この店は菜飯が売りもので、朝早くから商売をしている。
『江戸名所図会』に描かれた根津権現の境内は現在の3倍はありそうで、飲食店が密集していた。いまはツツジで名高いが、江戸期には桜の名所の一つだった。
小説の「境内に築山泉水をかまえ、草木の花、四季を逐うて絶えず……」は『名所図会』からの引用。
画像内
をクリックすると、拡大画面が表示されます。
尾張屋版
根津権現社
(『江戸名所図会』)
(c)copyright:2000 T.Nishio All Rights Reserved.