〔明神〕の次郎吉について




2004年08月07日(土) 21:13

〔櫛山〕の武兵衛一味

発信:奈水さん

『鬼平犯科帳』単行本8巻[明神の次郎吉]で、長官・長谷川平蔵は、次郎吉の量刑を軽くするために、〔櫛山〕の武兵衛一味の扱いを、火盗改メでなく南町奉行所の扱いにしていますが、この理由はなぜですか?


管理者:西尾からのレス

ご質問には、幕府の刑法「御定書(おさだめがき)」の知識がないと答えられません。
幸い、当[週刊掲示板]では、7月12日から「御定書」の条文の現代語訳を連載しています。

第17条 盗賊火附詮議致し方の事
盗賊火附詮議之儀、盗賊改火附改江不相渡、其手切にて可致詮議事。
(町奉行所側が捕らえた盗賊や火付の犯人は、火盗改メに渡さないで、奉行所側で詮議すること)。

これにより、長谷川平蔵は、
「今夜のことは盗賊改メには、かかわりのないことじゃ。みな、おぬしの手柄にしておいてれ」
と、南町奉行所の大山与力にいったのです。

櫛山一味の記録を持たない南町奉行所は、一味を初犯の未遂と誤認し、量刑を軽くすることもありえましょう。





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