粂八の生い立ちは「12-2 高杉道場・三羽烏」で次のように記されています。
「両親の顔も知らぬ小房の粂八は、祖母らしき老婆に育てられ、七つ八つのころまでは、近江の雪深い山村にいたらしい。(略)
その老婆が急死してのち、粂八は、さまざまな人の手から手へわたり、(略)少年の頃の粂八は、大阪の見世物芸人・山鳥銀太夫一座で、綱渡りの芸を見せていたこともあるそうな」
『ぽすたるガイド』で「小房」を検索しますと、
・奈良県橿原市小房町(オウサチョウ)
・和歌山県西牟婁郡日置川町小房(オブサ)
・岡山県英田郡作東町小房(オブサ)
があります。池波先生は何度も「こぶさ」とルビをふっておられますが。
私は、粂八の祖母が、「お前は(近江とも近い)大和の国の小房の生まれなのだよ」と教えたのだと推測してみました。しかし、現代の郵便番号簿からは消滅した地名もあるでしょう。
『大日本地名辞書』では滋賀県に「小房」はあるのでしょうか。
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