0137羽田弁才天社
キャプション
この地の眺望もっとも秀美なり。東は滄海漫々として、旭日の房総の山に掛くるあり。南は玉川混々として、清流の冨峰の雪に映ずるあり。 西は海老取川を隔て、東海の駅路ありて往来洛繹たり。北は筑波山峨々として、飛雨行雲の気象万千なり。この島より相州三浦・浦賀へは午 (うま)に当たりて海路およそ八、九里。南総木更津の湊へは巳(み)に当たりて海路八、九里、南北総の界は卯(う) に当たりて海路十三里ばかりを隔てたり。富峯は酉(とり)の方へ見ゆ。
広重『名所江戸百景』[はねだのわたし弁天の社]
コメント
羽田という地名のせいで、いまは国際空港となっているのではあるまいが、雪旦のころは弁天詣での渡り客がいた。
雪旦の絵に付されているのは[羽田弁財天社]---本の中の画題だから、味もそっけもなくてもかまうことはない。
(画中の文は前掲文で)。
絵そのものが商品の広重は、そうはいかない。
題も[はねたのわたし弁財天の社]と、渡舟の便利を、クロース・アップした船頭でも訴えている。まあ、船頭や弁天社とタイアップしていたとはおもわないが。
蛇足だが、空港にのみこまれてしまった社殿は内陸(羽田3丁目)へ遷座、空港地区への弁天橋に名を残しているのみ。
空港敷地にあった赤い鳥居は穴守稲荷社のもの。こちらも稲荷橋に名を遺して遷座。
投稿者: 西尾 | 2006年09月08日 08:33
玉川弁財天(別称を浦守弁天、羽田弁天)
羽田弁天には上宮、下宮とあり、上宮は西町の別当金生山竜王院(真言宗)にで、弘法大師が護摩の灰を以って作ったとされる弁天像を祀っている。
大田区羽田6-13
http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.32.35.087&el=139.45.13.446&la=1&sc=2&skey=%C2%E7%C5%C4%B6%E8%B1%A9%C5%C46-13&pref=%C5%EC%B5%FE&prem=0&CE.x=250&CE.y=317
投稿者: 豊島のお幾 | 2006年04月04日 14:04