干魚のように骨が浮いた老婆の胸肌に、長さ四寸ほどの切傷のあとがきざまれているのを、平蔵は見た。
「お前……では、あの、おろくか……?」
「へえ……」
19歳だった長谷川平蔵は、春を売るすあい女おろくのヒモになった。おろくは26,7だった。
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