西尾忠久の著作について




2003年12月4日(木)

管理者、西尾の著作集




『鬼平犯科帳を歩く』
(旬報社 ¥1,600+税)

朝日カルチャーセンター講座シリーズ(旬報社)の第14集として〔鬼平〕の江戸ウォーキング・コース20を、当HPでおなじみの彩色『江戸名所図会』を配して図解しました。

開講以来足かけ 7年になる朝日CC〔鬼平〕クラスは、教室外授業としてすでに45コースをこなしています。本書は、その中から20コースを厳選しました。




『剣客商売 101の謎』
(新潮文庫)




『鬼平を歩く』
(知恵の森文庫 \838+税

毎日新聞社から1999年10月にアミューズ編のムック版として出たものの文庫化です。ほとんどのページがカラーで、小さな宝石箱のように美しく豪華な仕上がり。この本のコースどおりに鬼平の江戸を散策するのも、ファンとしての新しい楽しみ方です。




このホームページで好評だったものに大幅加筆。
鬼平クイズ
(マガジンハウス 新書判 \700税込)




江戸の中間管理職 長谷川平蔵
(2000 文春ネスコ刊 \1,500税別)




「鬼平犯科帳」に恋して候
(1997 清流出版刊 \1,500税別)




「鬼平犯科帳」を助太刀いたす
(1996 KKベストセラーズ刊 \1,400税別)



2003年11月13日(木) 16:50

サミュエル・ジョンソンって?

発信:森下文化センター〔鬼平〕熱愛クラブ
   おまささん

最近、立てつづけに「鬼平関連」の書籍が発売されていますよね。
鬼平フアンとしてはとても嬉しいかぎりです。
でも、貧乏になりそうだわッ(笑)
さっそく『鬼平犯科帳を歩く』を購入しました。
『江戸名所図会』の塗り絵も綺麗に彩色されているし、解説も丁寧なので、読んでいて楽しいし、知識も身につく気がします。
ところで質問なんですが、あとがきに辞典編纂者サミュエル・ジョンソンが言った「ロンドンに飽きたら、人生に飽きたに等しい」って、どこに記されているのですか?


『鬼平犯科帳を歩く』あとがき
上の画像をクリックすると、拡大画像がご覧いただけます。


管理者:西尾からのレス

うーん。サミュエル・ジョンソンを説明する前に、 7年前の拙著『探偵と恋人の愛の会話―スペンサーとスーザンに学ぶ』(太陽企画出版)から始めます。


『探偵と恋人の愛の会話―スペンサーとスーザンに学ぶ』
(1994.11.18)


スペンサーとスーザンは、いまはもう盛りは過ぎたけど、ミステリー好きを、いっとき、熱狂させたシリーズ・ヒーロー&ヒロインです。スペンサーはボストンの私立探偵、恋人は心理療法士。
『ユダの山羊』(ハヤカワ・ミステリ文庫)で、ロンドンへ仕事で出張したスペンサーが、この街はニューヨークと同様、気持ちが高揚する、と電話で告げると、
「ロンドンに飽きたら、人生に飽きたに等しい」
と応じたスーザン。
シリーズ中にふんだんにあるこのテの気のきいた会話を集めて解説したのが前掲の本です。
(うまいなあ)と感心していたら、辞典出版社勤めのSさんが、スーザンの台詞のもとが収録されている『オクスフォード引用句辞典』を、原典のジェイムズ・ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』の該当ページとともに送ってくださいました。
『引用句辞典』に「ロンドンに飽きたら……」が入っているということは、多くの人がロンドンを語るときに引用するってことですね。
このことを話題にしたところ、渡部昇一上智大教授から、スコットランドの上流家庭出身のボズウェルが『ジョンソン伝』を上梓した時、もの書きごときの男の言動をあらわすとはなにごとか、と父親から叱りとばされたと教えられました。
それらの経緯を前書きにしたためたのが、拙著『ミステリー風味ロンドン案内』(東京書籍)です。

  
『ミステリー風味ロンドン案内』( 1988 7.25)
『ミステリー風味ロンドン案内2』( 1990 7.25)

『…ロンドン案内2』は同じ版元から 2年後に出ました。

ところで「ロンドンに飽きたら、人生に飽きたに等しい」には、つづきがあります。
「ロンドンにはなんだってあるんだから。老後、夫婦で話しあい反芻して楽しむためには、ロンドンには夫婦で滞在しないと……」
ロンドンを江戸に置きかえても同じですね。
「夫婦で話しあって楽しむには、江戸研究(鬼平の研究)は夫婦でやらないと……」
上記 3著とも絶版です。

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2003年10月09日(木) 19:13

鬼平のことでお願いです

発信:文藝春秋 デジタル制作部 檀原さん

鬼平ウェブ文庫立ち上げ時には、いろいろとアドバイスをいただき、本当にありがとうございました。
鬼平のことで迷ったときに、ご意見をうかがえることは、本当に幸せなことと存じます。
さて、お願いがございます。
『鬼平犯科帳の世界』(文春文庫)を文春ウェブ文庫から電子化したいと考えております。執筆者のお一人として、賛同いただけましょうか。


管理者:西尾からのレス

壇原さん。お仕事、快調のようですね。
電子化の件、賛同いたします。どうぞ、よろしく。

  
1989年 7月臨時増刊号『オール讀物』「鬼平犯科帳の世界」は
  1990年 5月10日に文庫化された。

『鬼平犯科帳の世界』(文春文庫)

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2003年09月19日(金)  12:35

〔うさぎ饅頭〕の目は羊羹です

発信:岡山市高柳西町 9-20(有)宮雀
   従業員の坂本ひとみさん

先日は、当店の〔うさぎ饅頭〕をホームページに載せていただき、本当にありがとうございました。
私の愛するお饅頭を見た時には、とてもうれしくてお店のみんなで、楽しく拝見しました。
おかみさんも感謝していると伝えてくださいとのことです。(うさぎの目の素材のことですが、「お羊羹」です)。


管理者:西尾からのレス

こちらこそ、〔うさぎ饅頭〕コーナーをにぎわせていただき、ありがとうございました。
これまで世界の有名銘柄約 200社と英王室御用達約 250店を現地取材してマスメディアに紹介してきましたが、欧米の一流店といわれるところは、掲載誌を送るとすぐさま礼状を寄越しました。日本の老舗も 100店ばかりマスメディアに紹介しましたが、礼状がきたのはほんの 2,3店でした。
彼我のビジネスマンの心がけの違いを憂慮していましたが坂本さんのお便りにホッとしています。

    
『世界名店さんぽ』(誠文堂新光社 1982.01.07刊 絶版)
『パリ名店さんぽ』(誠文堂新光社 1983.04.20刊 絶版)
『世界の一流ブランド』(誠文堂新光社 1982.05.10刊 絶版)

  
『ヴィトン読本』(グラフ社 1982.12.10刊 絶版)
『磁都の旅 マイセンと景徳鎮』(鎌倉書房 1981.06.20刊 絶版)

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2003年09月10日(水) 10:23

ケニヤのニジリ王の孫です

発信:ロンドン在住、ニジリさん

“Advertisements of VWBeatle”のHPに紹介されている、「妻を34人も持っている酋長にも、倹約は美徳です」という作品のニジリ王は、私の祖父です。できたら、この作品のコピーをお送りいただけませんか? 費用をお知らせください。
私はいま、ロンドンに遊学中なのです。


管理者:西尾からのレス

“Advertisements of VWBeatle”は、管理者がかつて現役コピーライターだったころに、米国VW社の広告を創っていたニューヨークの広告会社――Doyle Dane Bernback社――略称DDBを、毎年2回ずつ訪問、制作部門の人たちと仲よくなって集めた作品の一部を、世界のクリエイターの発想訓練用として紹介しているものです。

“Advertisements of VWBeatle”へは、当HPのリンク・コーナーからもお入りになれます。
ニジリ王のお孫さんへは、もちろん、ご指定の作品のカラーコピーをお送りします。


ケニヤのVWディーラーのPR誌に載った記事から発想された広告でしょうね。20世紀最高の広告キャンペーンと称されているこの作品群の発想の源泉は、工場見学のときのオリエンテーション、世界各地のVWディーラーのPR誌の記事、そしてクリエイター自身の人生体験です。
HP“Advertisements of VWBeatle”のもとになったのは、西尾忠久編・著『企画のお手本』(KKロングセラーズ 1986.05.10刊)です。


『企画のお手本』(KKロングセラーズ 1986.05.10刊)


ついでですから、作品の訳文を掲載します。

  妻を34人も持っている酋長にも、倹約は美徳です

 大きくて、速くて、高価な車は、常に王族の熱情の対象でした。しかし、ケニヤのニジリ王のような王族は、たぶん、余計な熱情など持ち合わせてはいないのでしょう。
 あるいは、余計なおカネの持ちあわせがないのでしをしょう(最近では王様商売もあまり儲からなくなったようです)。だからニジリ王のような王様には、フォルクスワーンがぴったりというわけです。
 新車で 1,639ドルという値段は、新妻の値段とそう変わりませんしね。それに、維持費を比べればVWのほうがずっと安くてすみますからね。
 ガソリン1゙で11.5kmは走ります。タイヤも64,00km0はもちます。
 フォルクスワーゲンの部品交換はとても簡単です(フェンダーの交換は20分、エンジンの取り出しも45分しかかかりません)。だから修理も簡単で格安です。
 かつ、分解しない場合のVWは、すばらしく長持ちしますよ。だから、中古のはすごく値が張り、程度もすごくいいですよ。
 年とった酋長が狩りに行く時だけに使っただけの中古車だったらとくに……ね。


これは、30年ほど前、1970年代の作品です。ロンドンで遊学中の孫のニジリさんが生まれる前のお爺ちゃん酋長のご尊影かも、ね。そして、VWはケニヤの草原をまだ元気に走っていたりして。



2003年08月25日(月) 04:55

鬼平盗賊相関図、完成しました!

発信:前田 Cさん

私時間と愛情をこめてつくりました。ぜひ、見てやってください。

http://www1.linkclub.or.jp/~c-chan/ikenami.html#

西尾先生の鬼平じゃない著作についてのページつくりました。まだ始めたばかりで、どういうふうに進めていこうかを考えています。こちらもぜひ見てご感想をください。

http://www1.linkclub.or.jp/~c-chan/nishiospirit.html


管理者:西尾からのレス

cさんの「鬼平盗賊相関図」はじつにすばらしいグラフィクスです。この人って、もしかして美術大学のデザイン科の優等出身者かな、とおもうほど。
とにかく、頭蓋骨をあけてのぞいてみたくなるくらい、この人の頭脳は緻密な構造であることが「鬼平盗賊相関図」を拝見するとわかります。
ひきかえ、とりあげてくださったぼくの旧作『ミステリー 気になる女たち』は、カバーに使わせてただいて鶴田一郎さんのイラストレーションがすてきなだけ。ノエビア化粧品のポスターなんかで目にされているとおもいますが、じつは鶴田さん、多摩美大での教え子ということで、申しわけないほどの画料ですませていただきました。教師の唯一の役ドクです。

  
鶴田一郎さんのイラストレーションによる『ミステリー 気になる女たち』
 (1994.08.01 東京書籍)
『ミステリーがちょっぴり好きな友へ』(1993.08.22 東京書籍)

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2003年08月11日(月) 16:35

〔常州小川〕と〔駿州小川〕

発信:居眠り隠居さん

『ベルギー風 メグレ警視の料理』『雑学 世界の一流ブランド』を読みました。ハイカラなことは隠居にはよく分かりませんが、とにかくたいしたものだ、と西尾先生の古今東西におよぶ博学に、改めて感心いたしました。

長谷川家に係る二つの〔小川姓〕を、隠居の身で僭越ですが、私は混乱を防ぐため便宜上、〔常州小川〕と〔駿州小川〕に区別していました。
趣旨は、下河辺氏から小川氏に変った常州在住の〔小川〕と、大和・長谷に移住後の〔小川〕。
〔駿州小川〕については『今川氏家臣団の研究』(小和田哲男著)で明らかになりました。
〔常州小川〕の発祥については『茨城県千代田町史・志築城と益戸氏』の項に詳しいので、以下に紹介させていただきます。

「下河辺政義==中世にいたって志築の地を含む常陸南郡(志築、松延、土田、野寺、市川、玉里、高浜、小川、野田、上吉影等)の地頭となり、この地を治めたのは下河辺政義(益戸氏と称す)である。
政義は古河付近にいた下河辺の庄の庄司下河辺行平の弟で源頼朝が治承四年伊豆に兵を挙げるといち早く兄行平と共にその傘下に馳せて以来、頼朝近臣の一人となった。頼朝の信任最も厚く、また剛勇の士でもあった。鎌倉鶴ヶ丘八幡宮造営の時の巨岩運搬の記録によると「この日畠山重忠と下河辺政義と二人相加ははる。力百人力に向ふ」とあるから、強力無双と言われた畠山重忠とならび称されるほどの武将でもあった。
養和元年閏二月、浮島にいた頼朝の叔父信太三郎先生義広が頼朝に反旗を翻して浮島を立ち下野国に向かって兵を進めたとき、政義は兄下河辺行平と共に古河高野(現総和村高野)の船泊りをおさえ、これを討って大いに功があった。これにより政義は、まもなく茨城南郡の地頭職(隠居註総地頭職)に補せられたのである。
しかし、政義の妻は武州川越(埼玉県川越市)の地頭川越重頼の娘でその姉妹が義経の妻であったから、頼朝と義経が不仲になったとき義経の縁者なるの故をもって地頭職を免ぜられている。その後、政義の長子政平(隠居註・二男)は小川の地頭に、二子行幹(隠居註・長男)は志築・大枝の地頭に、三子時員は武州野本の地頭となっている。益戸行幹は志津久三郎兵衛とも称し、その子孫が代々志築城主となった」



管理者:西尾からのレス

回復中のご体調にもかわらず、拙著を2冊もお読みいただいたのですね、ありがとうございます。
うち、『ベルギー風 メグレ警視の料理』(東京書籍)は池波さんが『メグレ警視』ものがお好きとわかり、影響ぐあいを知るために、現地取材してまとめたものです。当時は腰が軽かった!


『ベルギー風 メグレ警視の料理』(1992.05.22 東京書籍。絶版)

池波正太郎自選随筆集3『私の風景』(朝日文芸文庫)の影山 勲さんの巻末エッセイが、池波さんとジョルジュ・シムノンについて、こんなエピソードをあかしています。池波さんがパリの旧中央市場「イノサン広場」にあった居酒屋〔B・0・F〕主人セトル・ジャンと意気投合したのは、シムノンも常連だったこの店へ案内した写真家・吉田大朋さんが、
「この人は、日本のシムノンのような人だ」
と紹介したことによったのだと。

〔常州小川〕と〔駿州小川〕……ご隠居らしい区分けですね。ところで焼津市に編入されている〔駿州小川〕の読み方は「こがわ」。〔常州小川〕の読みは「おがわ」ですよね。
『茨城県千代田町史』による下河辺政義の地頭領を、参謀本部陸軍部測量局の明治20年刊の地図で確認してみました。

明治20年(1887)の参謀本部測量局の地図「水戸」(部分)
画像内の赤枠内をクリックすると、拡大画面が表示されます。

それぞれは、茨城県下の霞ヶ浦東北端部に点在していました。
うち東茨城郡小川町に併合されたのは吉影と野田。同新治(にいはり)郡に玉里(たまり)町。同郡千代田町に入ったのは下志築、中志築、上志築、東野寺、西野寺と市川……あわせると、東西15km×南北 6kmにもおよぶ広範囲の地頭だったのですね。
こうして長谷川家の先祖のことが夜明けのように明らかになっていくのって、興味津々。

 わいわい 長谷川平蔵 ←こちらをクリック



2003年06月20日(金) 20:15

〔虎屋〕の「うさぎ饅」

発信:学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラス
   深谷郁子さん

東京・赤坂の菓子補〔虎屋〕の「うさぎ饅」は、カタログに薯蕷饅頭で作ったとあります。
1個 370円。日保ち・2日間。受注期間・年間

港区赤坂 4-9-22
お客様相談センター tel.0120-45-4121


とらや『兎饅』
http://www.toraya-group.co.jp/



管理者:西尾からのレス

かつて『江戸・老舗さんぽ』で〔虎屋〕16代ご当主・黒川光朝さんを取材し、

「毎朝、六ッ時(日の出どき)には、店と店に備えてあるもろもろを掃除すること

関ヶ原の戦い(1600)のころから京都の〔市豪虎屋〕とさえ書かれた商家の店員のための「掟書(おきてがき)」から書き起こしました。


15の店を取材した『江戸・老舗さんぽ』(1982 誠文堂新光社)
管理者の52冊目の著書。


「倹約第一。このことで思いつきがあったら書類にして提案すること」

倹約・始末もお説教に終わらず、低コスト経営についての提案制度ももうけていました。

 わいわい〔兎忠〕こと木村忠吾 ←こちらをクリック



2003年06月20日(金) 10:13

池波さんvsワープロ

管理者:西尾のひとりごと

20年ほど前から10年間つとめた読売新聞社の映画広告賞の審査会開始前の雑談で、ぼくが「ワープロ」といい、池波さんが情けなそうな目をしたことは6月16日の堀さんあてのレスで告白しました。
そのことに発奮して書いたのが『ワープロ書斎術』(講談社現代新書 初版1985.03.20)です。

現代新書『ワープロ書斎術』(講談社 1985)

冗談めかして〔ワープロフェッサー〕を自称。その後の10年間に18刷と版を重ねました。
『鬼平犯科帳』などに関するデータ蓄積も歴代のワープロを駆使してやりました。





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