〔泥鰌〕の和助について




2003年11月22日(土)

大森の麦藁細工・ネズミとハト

発信:西尾からのリポート

『鬼平犯科帳』ほかの作品執筆に、池波さんが『江戸名所図会』を発想のバネとしていたことは、当ホームページで幾度となく報告してきました。
凡例。文庫巻7[穴]では、掘った穴から忍びこんだ隣家〔壷屋〕の金蔵へ、のこしてくる藁細工のネズミは、〔平野屋〕源助が川崎大師へ参詣した帰りに大森の麦藁細工店で買ったものである、とか。

大森名産の麦藁細工(右手の下段の棚のネズミ)

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じつは大森の麦藁細工、文庫巻7[泥鰌の和助始末]で、市ヶ谷田町の鰻屋〔喜多川〕を訪ねた和助が同類である証しの合図として、亭主の惣七へ、

「へい。これを」
 土間へ入って和助が出して見せたのは、大森産・麦わら細工の鳩であった。

p162 新装p170

 ハトは、同じ『図会』絵の左下、女の子の向こうに10羽ほど描かれています。


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こういう「神は細部に宿る」というか、茶目っけも、池波小説の真骨頂の一つでしょう。

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