0112海晏寺紅葉見之図
『江戸名所図会』巻之ニ 天璇之部
キャプション
海晏寺の紅樹に題す 古刹の楓林晩霞簇(あつま)る/深々たる庭院年華を駐(とど)む/いづくんぞ知らん秋後風霜の色/ かへって江南の二月の花に勝る 春台
鬼平熱愛倶楽部 2018 竹村外喜典
鬼平熱愛倶楽部 2026 西坂秀明
投稿者 nishiot : 2006年02月14日 02:09
コメント
浅黄紅葉、研を競って色とりどりに---『江戸名所花暦』にいう。「品川鮫洲にあり。当山は江府(えど)第一の楓の名所なり」
千本の楓樹が深い朱、燃える赤、あざやかな紅色にと酌(く)む盃を染めた。松の緑を背景にした錦繍(きんしゅう)に、東海道第一番目の宿まで足はこんで飲む酒の味も格別。寺号の海晏寺は四海安平の義による。
もっとも住職は、電車がけずりとった境内を走る現代は安静とは縁遠く、楓の樹林もかつてのおもかげを『名所図会』にとどめるのみで、見学人を招じる気にもならないと。
(季刊雑誌『お元気ですか』2006年秋号の表紙裏の文
投稿者 西尾忠久 : 2006年09月28日 10:10