0530性信坊夢想
キャプション
建長2年(1250)の秋、性信坊夢想によって、みづから過去生の枯骨の所在をしり、奥州信夫郡土湯山に至る。時に一(ひとり) の狩人あり。師云く、「この松下にわが過去生の枯骨あり。汝これを掘りて得さすべし。と。狩人云く、「われ業をなさざれば明日の糧(かて) なし」とて、さらに肯(うけか)はず。よって生信坊猟者が持つところの弓箭(きゅうせん)をとって石上に投ずれば、その箭(や) おのれと発し、一つの鹿を射たり。師すなはちこれをあたふ。猟人驚いてその凡ならざるを悟り、ただちに松下を穿ち、 すでにして枯骨を得ければ、性信坊歓喜踊躍し、つひにその地を封じて一つの精舎を営み、号つけて法得寺といひける。
投稿者 nishiot : 2006年03月12日 14:37