弟橘媛入水
塗り絵師 西尾忠久
日本武尊東夷征伐したまふとき、相模国より上総国に往かんととたまひし、その海上暴風(あからしまかぜ)たちまちに起こり、王船漂蕩(ただよ)ふて危ふかりしかば、妾(みめ)弟橘媛みづからの御身をもて贖ひ、尊の命をたすけまゐらせんことを海神(わたつみ)に誓ひ、つひに瀾(なみ)を披(わ)けて入りたまひぬ。





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