0631釣鱚
『江戸名所図会』巻之七 揺光之部
キャプション
春鱚(はるきす)は三月の末より四月に入りて盛んなり。春釣りといふは寛文(1661~73)の頃、南総(かずさ) 伍大力の船頭仁兵衛をはじめとす。岩崎兵太夫という人これに継ぐ。いま岩崎流といふはすなわちこの人に始まりて、 これより後春鱚を釣ること世に盛んなりしといふ。秋鱚は八月の末より九月なかばを節とす。しかれども、 十月に至り寒気にうつれば沖に出づるがゆゑ川釣りに幸なし。漁人海に産するを白鱚と呼び、川にあるを青鱚と唱ふ。また鱚に大小の差あり。 当歳は腹白く、五、六寸なるを二歳とす。腹すこしく黄色を帯びて背通り黒みあり。七寸より八寸までを三歳と呼ぶ。腹黄色にして赤みを帯び、 背の通り黒し。九寸以上を鼻曲がりと号く。鱗あらし。尺に越ゆるを寒風(さむかぜ)と唱うふるよし、漁人の説なり。
広重『名所江戸百景』[逆井のわたし]
広重『名所江戸百景』[利根川ばらばらまつ]
投稿者 nishiot : 2006年03月27日 13:47
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