0653国府台断岸之図
『江戸名所図会』巻之七 揺光之部
キャプション
総寧寺晩眺 荒城千仞(せんしん)没し/蕭寺(しょうじ)上方開く/山断えて江帆出で/路廻りて郊樹来る/磬鐘鹿野を余し/ 戦伐鴻台古びたり/落日斯時の恨み/風に臨みて客哀れを起こす 南郭
広重『名所江戸百景』[鴻の台とね川風景]
『上泉伊勢守』
鬼平熱愛倶楽部 2006 豊麻呂
投稿者 nishiot : 2006年03月29日 16:04
コメント
池波さんが『鬼平犯科帳』を連載する2年前の1967年、『週刊朝日』4月28日号から6月16日号に連載した[上泉伊勢守]に、高野台(鴻の台)を登場させています。
上泉伊勢守の嫡男で上野国大胡城主・常陸守秀胤が永禄7年(1564)1月、北条氏康の軍にしたがって下総国へ出陣、里見義弘の軍と戦い、高野台で23日、戦死したと。
この土地って、そういう因縁があったのですね。
投稿者 西尾 忠久 : 2006年10月02日 16:49
あはははは。楽しそうー。
私も高所恐怖症なんで、下を往くおもちゃみたいな船を見ることはできないでしょう。
今もこんなに崖がはりだした形なんでしょうか?
投稿者 レン : 2006年09月04日 17:47
千葉県市川市国府台。いまは里見公園(里見八犬伝の激戦地)
雪旦の画題[国府台(こうのだい)断岸の図]
広重のそれ[鴻の台とね川風景]
前者は崖上に5人の行楽人。後者は3人。
雪旦の人物はしゃべっている。
崖下を覗いている男の帯をつかんで、
「おいおい、さらにもう一歩前へ出てみねえ。落っこちてお陀仏だぜ」
「すっごく、高え。下を往く船がおもちゃみたいだぁ。代わろうか」
「じょ、冗談じゃねぇ。あっしが高所恐怖症なのは知ってるくせに」
後方の年配者「また、バカやってる。どこへ行っても、これなんだから。いちど、落っこちて痛い目にあえば心を入れ替えるだろうさ」
広重は静。雪旦は多弁。
投稿者 西尾 : 2006年09月04日 17:44
江戸郊外のすばらしい景観に魅了され「国府台断岸之図」を選びましたが、どこかで見たような絵(構図)にひかれ調べたところ、あの歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」の95番目、「鴻の台とね川風景」安政3年の作品が類似した絵でした。
解説では現、千葉県市川市国府台の台地、断崖を南下する川は利根川の分流、江戸川で北方の物資を江戸に運ぶ重要な水路であったと、ある。
紅葉の季節の断崖の景観を大胆に塗って見ました。
投稿者 豊麻呂 : 2006年07月14日 03:25