ヒタキ(鶲)
お節は、谷間のような市ヶ谷片町へ下る急坂をすぎた。
右手は、こんもりとした木立で、左手は尾張屋敷の塀が延々とつづいている。
日中ではあったが、まったく人通りも絶え、どこかで、小石を打ち合わせているような鶲の鳴声が聞こえていた。
[13-3 夜針の音松]p104 新装p108

各務:ヒタキは、江戸時代、夏はキビタキを指す。夏、東南アジアから繁殖に来る。漂鳥のルリビタキも考えられるが、声高に「コツコツと鳴く」のはキビタキであろう。眉斑、背、腹が黄色い鳥で5月ごろ通りすがりの公園で囀っている。


キビタキ・雄 杉並区和田堀公園 1997.05


文芸評論評家&バードウォッチャー 各務三郎





ウグイス(鶯)  ・ツル(鶴)  ・ガン(雁)  ・ツバメ(燕)
ヒバリ(雲雀)  ・シラサギ(白鷺)  ・モズ(鵙)  ・スズメ(雀)
トビ(鳶)  ・クイナ(水鶏)  ・ホオジロ(頬白)  ・ヒタキ(鶲)
カラス(鴉)  ・ウグイス(鶯)  ・コマドリ(駒鳥)  ・ヒワ(鶸)
バン(鷭)  ・ムクドリ(椋鳥)  ・チドリ(千鳥)  ・タカ(鷹)

(c)copyright:2000 T.Nishio All Rights Reserved.