トビ(鳶)
神田川の船宿から小舟をやとい、大川(隅田川)へ出ると、
「本所の横川へ……」
平蔵が、船頭に命じた。
どんよりと花曇りの空に、一羽の鳶がゆうゆうとして舞い飛んでいる。
[1-2 本所桜屋敷]p85 新装p89
(季節:天明8年(1788)小正月)

各務:現代の東京ではトビが上空を舞う姿は見られなくなった。猛々しいタカの仲間とは異なり、ハゲタカ類のように死肉やゴミをたべるので、同じ生き方のハシブトガラスから追い出されたのだろう。




文芸評論評家&バードウォッチャー 各務三郎





ウグイス(鶯)  ・ツル(鶴)  ・ガン(雁)  ・ツバメ(燕)
ヒバリ(雲雀)  ・シラサギ(白鷺)  ・モズ(鵙)  ・スズメ(雀)
トビ(鳶)  ・クイナ(水鶏)  ・ホオジロ(頬白)  ・ヒタキ(鶲)
カラス(鴉)  ・ウグイス(鶯)  ・コマドリ(駒鳥)  ・ヒワ(鶸)
バン(鷭)  ・ムクドリ(椋鳥)  ・チドリ(千鳥)  ・タカ(鷹)

(c)copyright:2000 T.Nishio All Rights Reserved.