クイナ(水鶏)
〔どんぶり屋〕の亭主・金五郎が、平蔵に、
「ま、ついておいで」
先に立って案内したのは、根岸の奥の、竹藪に囲まれたわら屋根の家であった。
根岸は、上野の山を背負い、鶯・蛍・水鶏・月・雪・花……と、四季それぞれの名物があるほどの風雅な田園地帯で、これが江戸市中だとは、到底おもえぬ。
[11-2 土蜘蛛の金五郎]p66 新装p69
(季節:寛政6年(1794)秋)

各務:江戸時代、水路沿いのアシ原で、初夏、コンコンと鳴くヒクイナは現代の東京では幻となった。冬、葛西臨海公園にいるのは写真のクイナで、「クィッ、クィッ」と鳴く。




文芸評論評家&バードウォッチャー 各務三郎





ウグイス(鶯)  ・ツル(鶴)  ・ガン(雁)  ・ツバメ(燕)
ヒバリ(雲雀)  ・シラサギ(白鷺)  ・モズ(鵙)  ・スズメ(雀)
トビ(鳶)  ・クイナ(水鶏)  ・ホオジロ(頬白)  ・ヒタキ(鶲)
カラス(鴉)  ・ウグイス(鶯)  ・コマドリ(駒鳥)  ・ヒワ(鶸)
バン(鷭)  ・ムクドリ(椋鳥)  ・チドリ(千鳥)  ・タカ(鷹)

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