9月16日のハイライト
文庫巻8-4[流星]をアップ。
この篇では、『江戸買物独案内』から4件の図版を引用した。
池波さんがこの史料を机脇に置いていたのは、盗賊が狙う店をきめるのが第一だったとおもう。
その町に、その業種の店があったことがはっきりし、リアリティが生まれる。
盗賊に入られて、彼らが畜生ばたらきをする一味だったら、皆殺しにするだろう。だから、町名はそのままでも、屋号はほかから借りてくることになる。
盗賊に襲われる話でないときは、実名のまま借用していい。
池波さんが『江戸買物独案内』を重宝していたことを明かしたのは、たぶん、ぼくが最初だったとおもう。
『オール讀物』平成元年(988)7月臨時号「鬼平犯科帳の世界」に、鬼平に登場する商店を並べた[江戸ショッビング案内]を寄稿したときである(のち、同題の文春文庫に収録)。
池波さんの生前のことだから、「ずいぶん、出すぎたことをする奴」とおもわれたことだったろう。
しかしその後、鬼平について語るばあいに、『江戸買物独案内』は欠かせない史料と認められた。
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コメント
最近、このウエブサイトを見つけて、時折拝見しております。ウエブサイトの充実を期待して、次の訂正箇所を送ります。
「おまさの年譜」の紹介で、
『二代目・狐火の勇次郎と再会、結婚[6-4 狐火]p112 新p119』と、
『二代目・狐火の勇次郎が病死。再び密偵に[6-4 狐火]』は、狐火の勇五郎ですよね。
「実母の影響・・・・[長谷川平蔵年譜 基メモA]の表紙」の紹介で、
『連載のずっと前に準備されたこのノートは、台東区の池波使用太郎記念文庫のガラスケースに入れられ、最初のページが開かれている。』は、池波正太郎記念文庫ですよね。
投稿: かわべ與四郎さん | 2006.09.16 16:25
>かわべ與四郎さん
いらっしゃいませ。そして、ご指摘ありがとうございました。
おまさの年譜、さっそくに訂正しました。
池波正太郎記念文庫のほうのミスタイプも、さっそく訂正しておきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
投稿: ちゅうすけ | 2006.09.17 05:29