佐野市からの、うさぎ饅頭
久しぶりに、うさ忠こと同心・木村忠吾の変身---うさぎ饅頭が届いた。
届けてくださったのは、有賀M恵さん。
誕生の地は、佐野市大橋町3220-1 (有)メープルさん
かわいい化粧箱に5個入っていた。
材料は、小麦粉、小豆、砂糖、水飴、加糖、つくね芋、手亡豆、植物油(菜種、大豆由來)、膨張材、寒天、グルタミン酸、着色料(赤102)
価格:不明
久しぶりに、うさ忠こと同心・木村忠吾の変身---うさぎ饅頭が届いた。
届けてくださったのは、有賀M恵さん。
誕生の地は、佐野市大橋町3220-1 (有)メープルさん
かわいい化粧箱に5個入っていた。
材料は、小麦粉、小豆、砂糖、水飴、加糖、つくね芋、手亡豆、植物油(菜種、大豆由來)、膨張材、寒天、グルタミン酸、着色料(赤102)
価格:不明
JR金沢駅構内で、〔福うさぎ〕饅頭を見つけた。
8個箱入りで800円ほどだった。
帰宅して計測してみたら、さしわたし4cmほどの小ぶり。
1個100円前後という値段にも納得がいった。
包装紙に印刷されている原材料名には、さつまいも、砂糖、小麦粉、水飴、トレハロース、乳等を主要原料とする食品、卵黄、白あん、マルトオリゴ糖、澱粉、植物油脂、コーンシロップ、寒天、卵白、山芋粉末、麦芽糖、膨張剤、乳化剤、増粘多糖類、着色料(コチニール)。
素人のぼくには、何がどう作用しているのかよくはわからないが、小豆餡ではなく芋餡だということは、一口食べて了解した。
そういえば、金沢市内を南北に縦断したバスの車窓から、「和生菓子舗」の看板をずいぶん見かけ、さすが百万石の城下町---お茶と茶請けの土地柄、とおもった。
もっとも〔福うさぎ〕の産地は、加賀市動橋町ム40番地の(株)福うさぎU。
そういえば、この〔福うさぎ〕、何番目の兎忠饅頭にあたるのだろう?
収集ずみの各地の兎饅頭は、↑色変わりの兎忠饅頭をクリック。
舞台には道化役(コメディ・リリーフ)が必要だ。いや、道化役といってはいいすぎか。
舞台を明るくする人物といいかえよう。
戯曲作家から出発した池波さんは、とうぜんそのことをわきまえていた。
木村忠吾は登場時期だけが問題だった。
第九話[谷中・いろは茶屋]が忠吾のために用意された。
忠吾は祖父の代からの御先手同心で、御頭の長谷川平蔵が盗
賊改方に就任してからは、彼も当然、御頭をたすけて刑事に
はたらくようになったわけだが、
「とても、あやつはつかいものにならん」
と、上司たちにきめつけられている。
この初登場のときが寛政3年(1791)、24歳。鬼平の火盗改メ就任以前の6年前に父親が病死、18歳の彼が跡目をついだ。
母親あさも物故している。
縁者といえば、旗本・金森与左衛門の用人をつとめている叔父の中山茂兵衛ぐらい。この仁[5―4 おしゃべり源八]、[16―1 影法師]に顔を見せる。もちろん、同心・吉田藤七の4女・おたかとの婚儀の席では、忠吾の父親代わりをつとめたはず。
芝・神明前の菓子舗で売っている〔うさぎ饅頭〕にそっくりなので「兎忠」とよばれてもいる。
(兎饅頭の項を参照)
池波さんは現代青年ふうの忠吾を可愛がっていて、[谷中・いろは茶屋]以後の153話中107七話に登場させた(67パーセント)。
各文化センター[鬼平]クラスの受講者に忠吾お気に入りの理由を書いてもらったキーワードは、すでに紹介ずみ。
この忠吾がしっかりした判断をしめしたのは、長編[15 雲竜剣 急変の日]で、仕事の相方に最年長の同心・吉田藤七を選んだときである。
鬼平に、
「おや---?」
と、おもわせた。
男いっぴき、いつもでもコメディ・リリーフではいられない。
池波さんは、男のみがきどきをいいたかったのであろう。
つぶやき:
木村忠吾が、先輩の吉田藤七を仕事の相方に選んだのは、長篇[雲竜剣]で、東海道・南江(なんご)の松林の中の報謝宿を見張ったとき。
岸井良衛『五街道細見』(青蛙房)
南江は、前掲の[おしゃべり源八]にも出てくるが、このときは岸井良衛『五街道細見』(青蛙房)の記述にしたがって(なんこ)とルビしているのに、[雲竜剣]ではなぜ(なんご)とにごらせた? と疑問を呈しているのは、鬼平熱愛倶楽部でともに学んでいる。相州藤沢宿の秋山太兵衛さん。
文庫巻2[谷中・いろ茶屋]で同心・木村忠吾が初登場する。寛政3年(1791)晩夏の事件で、忠吾23歳---それはいいとして、初登場の場が谷中のいろは茶屋の娼婦・お松とのベッドシーンというのだから、いかにもコメディー・リリーフにふさわしい。
この忠吾の綽名(あだな)が「兎忠」。
芝・神明の菓子舗〔まつむら〕で売り出している〔うさぎ饅頭(まんじゅう)〕そっくりだというのである。
そこで、各〔鬼平〕クラスに依頼するとともに製菓の業界誌にも記事を書いてもらって、全国から〔うさぎ饅頭(まんじゅう)〕をもとめた。27点集まったが、さて、忠吾にもっとも似ているのは?
2010年の歳末に、セブン・イレブンで買った[うさぎ団子] 100円。
2011年が卯年ということでつくられたのであろう。
1,2. 〔茶寮 風花〕(鎌倉・明月院門前)の〔うさぎ饅頭〕 栗餡の蒸し饅頭。1個200円
新兵衛さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOB)投稿
3. 〔三日月堂 花仙〕(鎌倉・建長寺の手前)のうさぎ饅頭。1個158円
新兵衛さん投稿
4. 〔塩瀬本舗〕 (東京・中央区)の月見饅頭 小豆、山芋、米粉など。発売時期は9月。三越限定。9個893円
5. 〔塩瀬本舗〕のお月見和盆糖 発売時期同上。1箱893円
6. 〔信濃路うさぎや〕 (長野県上田市) うさぎ最中 ごまあん。 5個入りパック525円
7. 〔餅屋伝助〕 (長野県上田市) うさぎ餅 カスタードクリーム入り(白)と、チョコクリーム入り(薄茶)。1個115円
8. 〔阿佐ヶ谷うさぎや〕 (東京・杉並区)のうさぎ饅頭 分家らしく小ぶり。1個140円
小金井の住人さん(朝日CC〔鬼平〕クラスOB)投稿
9. 〔花園万頭〕 (東京・新宿区)のうさぎ饅頭 紅白あり。1個160円
町娘さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿
10. 〔みずの〕 (東京・豊島区)のこうさぎ饅頭 砂糖、大和芋、米粉、小豆、小麦粉、寒天、天然色素。
吉川さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿
11. 〔みずの〕 (東京・豊島区)の月見(練切)
吉川さん投稿
12. 〔みずの〕 (東京・豊島区)のうきうき(缶入りらくがん)
吉川さん投稿
13. 〔日本橋うさぎや〕 (東京・中央区)のうさぎ饅頭 黒門町の〔うさぎや〕の分家。
名無しさん(森下文化センター〔鬼平〕クラスOG)投稿
14. 〔喜田屋〕 (東京・足立区)のまちやうさぎ 10個入り800円
田口社長投稿
16,17 〔喜田屋〕 (東京・足立区)の饅頭うさぎうさぎ 小麦粉をじょうよ(芋)でつなぐ。漉し餡。4個入り6005y
田口社長投稿
18. 〔宮雀〕 (岡山市)のうさぎ饅頭 十勝産小豆、伊勢いも、上用粉。1個190円
従業員・坂本ひとみさん投稿
19. 〔松木屋〕 (静岡市)のうさぎ餅 太田蜀山人も賞したと。 満月を模した羽二重外皮にうさぎの焼印。1個100円
八木忠由さん(SBS学苑パルシェ〔鬼平〕クラス)投稿
20. 〔壺屋〕 (東京・文京区)のうさぎ饅頭 新粉と砂糖を山芋でつないだ皮。小豆餡。注文生産のみ。
入倉さん(店主)投稿
21,22. 〔三原堂〕 (東京・中央区)のうさぎ饅頭 1個200円
三楽亭靖酔さん(鬼平熱愛倶楽部)投稿
23. 本家〔うさぎや〕 (東京・千代田区)のうさぎ饅頭 卯歳のうまれの創業者を偲んで製作。 1個160円
町娘さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿
24. 〔虎屋〕 (東京。港区)のうさぎ饅 カタログに薯蕷饅頭で作ったと。 1個370円
深谷さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿
27. 〔中村軒〕 (京都市・桂)のうさぎ薯蕷 秋のみ 1個220円。冬は雪うさぎ 1個200円
ご店主投稿
28. 〔鞠子の宿本舗 月ヶ瀬〕のうさぎ饅頭 皮はとろろ芋とじょうねん粉 餡は白味噌と白餡 1個120円
青山陽子さん(SBS学苑パルシェ〔鬼平〕クラス)投稿
30俵2人扶持
亡母:あさ。父親の名は記述がない
叔父:中山茂兵衛。
下女:お杉([影法師])
明和5年 誕生 先手同心の長男。兄弟姉妹は不明
(1968)
天明5年 18歳 亡父の後継者として家督
(1785) 入組 [2-2谷中・いろは茶屋]
天明6年 19歳 長谷川平蔵、組頭に着任
(1786)
天明7年 20歳 長谷川組、米騒動の鎮圧に
(1787) 長谷川組、火盗改メに従事(助役)
天明8年 21歳 長谷川組、火盗改メ・本役に
(1788)
寛政3年 24歳 荒川で釣人に化けて見張る[6-4 剣客]
(1791) いろは茶屋〔菱屋〕:お松
[2-2 谷中・いろは茶屋]
寛政4年 25歳 龍宝寺門前町〔松月庵〕でお雪を抱く
(1792) [2-6 お雪の乳房]
寛政5年 26歳 長官・長谷川平蔵のお供で京へ
(1793) [3-2 盗法秘伝][3-3 艶婦の毒]など
寛政6年 27歳 鬼平の供で二本榎・細井邸へ
(1794) [9-4 本門寺暮雪]
〃 男色浪人に誘拐される[11-1 男色一本饂飩]
寛政7年 28歳 長谷川平蔵病死
(1795)
寛政8年 29歳 一本眉事件[13-6 一本眉]
(1796) 伊三次が刺殺される[14-5 五月闇]
〃 伊三次の墓へ墓参[14-6 さむらい松五郎]
〃 同心:吉田藤七の四女おたかと結婚
[15-5 雲竜剣 急変の日]
寛政9年 30歳 藤田彦八の妻の事件[19-4 逃げた妻]
(1797)
寛政10年 31歳 上記事件の続篇[19-5 雪の果て]
(1800) 市口又十郎とお弓の事件[21-3 麻布一本松]
(掲載誌2006年4月)
志ん朝師匠の朗読CDセット
「おあとは、ご自分で……」
使命感に燃えた部下を働かせるリーダーとしての要諦、生きがいの持ち方、人情の機微、悪が生まれる根源--『鬼平犯科帳』は、池波正太郎さんが小説の形にしてぼくたちへ残してくださった豊潤な世界である。
いや、人によっては失われた季節感の再現を試みようし、気どらない江戸人の暮らしぶりにひたるであろうし、今夜の食卓にはこれをと舌なめりずりをしながら読んでもいよう。
『鬼平犯科帳』はそれほど多面的な楽しみを読み手に与えてくれるからこそ、文庫だけで二、三〇〇万部以上も刷られ、いまや国民文学の一方の雄となっている。
そう、国民文学--つまり大人の国語教科書なのである。しかも楽しく読める、というより自らすすんで読みたくなる国語読本。
含蓄に富んだ会話も、達意の表現も、心底からの笑いや泣かせ方も、すべて教えてくれる。
国語教科書なんだから小学生のときにやったように『鬼平犯科帳』は声をだして読んでみるべきだといおう。
黙読よりも音読のほうが適している小説がある、と喝破したのは池波さんと親しかった司馬遼太郎さんだが、教わるまでもなく、池波さんは文章を戯曲できたえぬいているから、一章書き上げるたびに自分で音読してはリズムを按配していたとしか思えないほど音感的なのである。
音読のお手本には、松本白鴎丈=鬼平のテレビで、木村忠吾を好演した志ん朝師匠の朗読四編がある。
間合いのとり方、会話の使いわけ、音声の高低--『鬼平犯科帳』の新しい次元が目の前に、いや、違った、耳のそばに広がるとは、このことであろう。
さすが、『鬼平犯科帳』に惚れこみ、生まれた息子さんを忠吾と名づけたご仁だけのことはある。
なのに、四編しかないのは、志ん朝さんとしては、
「おあとは、ご自分で……」
といいたかったのだと推察する。お手本としてはとびきり豪勢すぎるが。
001長谷川平蔵 | 002長谷川平蔵の妻・久栄 | 003長谷川備中守宣雄 | 004長谷川平蔵の実母と義母 | 005長谷川宣雄の養女と園 | 006長谷川辰蔵 ・於敬(ゆき) | 007長谷川正以 | 008長谷川宣尹 | 009長谷川太郎左衛門正直 | 010長谷川家の祖 | 011将軍 | 012松平定信 | 013京極備前守高久 | 014本多家 | 016三奉行 | 017幕閣 | 018先手組頭 | 019水谷伊勢守勝久 | 020田沼意次 | 021佐嶋忠介 | 032火盗改メ | 041酒井祐助 | 042木村忠吾 | 043小柳安五郎 | 044沢田小平次 | 045竹内孫四郎 | 051佐々木新助 | 072幕臣・大名リスト | 074〔相模〕の彦十 | 075その他の与力・同心 | 076その他の幕臣 | 078大橋与惣兵衛親英 | 079銕三郎・平蔵とおんなたち | 080おまさ | 081岸井左馬之助 | 082井関録之助 | 083高杉銀平 | 088井上立泉 | 089このブログでの人物 | 090田中城かかわり | 091堀帯刀秀隆 | 092松平左金吾 | 093森山源五郎 | 094佐野豊前守政親 | 095田中城代 | 096一橋治済 | 097宣雄・宣以の友人 | 098平蔵宣雄・宣以の同僚 | 099幕府組織の俗習 | 101盗賊一般 | 103宮城県 | 104秋田県 | 105山形県 | 106福島県 | 107茨城県 | 108栃木県 | 109群馬県 | 110埼玉県 | 111千葉県 | 112東京都 | 113神奈川県 | 114山梨県 | 115長野県 | 116新潟県 | 117冨山県 | 118石川県 | 119福井県 | 120岐阜県 | 121静岡県 | 122愛知県 | 123三重県 | 124滋賀県 | 125京都府 | 126大阪府 | 127兵庫県 | 128奈良県 | 129和歌山県 | 130鳥取県 | 131島根県 | 132岡山県 | 133広島県 | 136香川県 | 137愛媛県 | 139福岡県 | 140佐賀県 | 145千浪 | 146不明 | 147里貴・奈々 | 148松造・お粂・お通・善太 | 149お竜・お勝・お乃舞・お咲 | 150盗賊通り名検索あ行 | 151盗賊通り名検索か行 | 152盗賊通り名検索さ行 | 153盗賊通り名索引た・な行 | 154盗賊通り名検索は・ま行 | 155盗賊通り名検索や・ら・わ行 | 156〔五鉄〕 | 157〔笹や〕のお熊 | 158〔風速〕の権七 | 159〔耳より〕の紋次 | 160小説まわり・池波造語 | 161小説まわり・ロケーション | 162小説まわりの脇役 | 163『鬼平犯科帳』の名言 | 165『鬼平犯科帳』と池波さん | 169雪旦の江戸・広重の江戸 | 170その他 | 172文庫 第2巻 | 173文庫 第3巻 | 174文庫 第4巻 | 175文庫 第5巻 | 176文庫 第6巻 | 177文庫 第7巻 | 178文庫 第8巻 | 190文庫 第20巻 | 195映画『鬼平犯科帳』 | 197剣客 | 199[鬼平クラス]リポート | 200ちゅうすけのひとり言 | 201池波さんの味 | 205池波さんの文学修行 | 208池波さんの周辺の人びと | 209長谷川 伸 | 211御仕置例類集 | 212寛政重修諸家譜 | 213江戸時代制度の研究 | 214武家諸法度 | 215甲子夜話 | 216平賀源内 | 217石谷備後守清昌 | 219参考図書 | 220目の愉悦 | 221よしの冊子 | 222[化粧(けわい)読みうり]
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