カテゴリー「042木村忠吾」の記事

2007.09.23

佐野市からの、うさぎ饅頭

久しぶりに、うさ忠こと同心・木村忠吾の変身---うさぎ饅頭が届いた。
届けてくださったのは、有賀M恵さん。
誕生の地は、佐野市大橋町3220-1 (有)メープルさん
かわいい化粧箱に5個入っていた。

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材料は、小麦粉、小豆、砂糖、水飴、加糖、つくね芋、手亡豆、植物油(菜種、大豆由來)、膨張材、寒天、グルタミン酸、着色料(赤102)

価格:不明

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2007.02.13

〔福うさぎ〕まんじゅう

JR金沢駅構内で、〔福うさぎ〕饅頭を見つけた。160
8個箱入りで800円ほどだった。

帰宅して計測してみたら、さしわたし4cmほどの小ぶり。
1個100円前後という値段にも納得がいった。
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包装紙に印刷されている原材料名には、さつまいも、砂糖、小麦粉、水飴、トレハロース、乳等を主要原料とする食品、卵黄、白あん、マルトオリゴ糖、澱粉、植物油脂、コーンシロップ、寒天、卵白、山芋粉末、麦芽糖、膨張剤、乳化剤、増粘多糖類、着色料(コチニール)。

素人のぼくには、何がどう作用しているのかよくはわからないが、小豆餡ではなく芋餡だということは、一口食べて了解した。

そういえば、金沢市内を南北に縦断したバスの車窓から、「和生菓子舗」の看板をずいぶん見かけ、さすが百万石の城下町---お茶と茶請けの土地柄、とおもった。

もっとも〔福うさぎ〕の産地は、加賀市動橋町ム40番地の(株)福うさぎU。

そういえば、この〔福うさぎ〕、何番目の兎忠饅頭にあたるのだろう?

収集ずみの各地の兎饅頭は、↑色変わりの兎忠饅頭をクリック。

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2006.04.30

男の脱皮どき

舞台には道化役(コメディ・リリーフ)が必要だ。いや、道化役といってはいいすぎか。
舞台を明るくする人物といいかえよう。
戯曲作家から出発した池波さんは、とうぜんそのことをわきまえていた。

木村忠吾は登場時期だけが問題だった。
第九話[谷中・いろは茶屋]が忠吾のために用意された。

 忠吾は祖父の代からの御先手同心で、御頭の長谷川平蔵が盗
 賊改方に就任してからは、彼も当然、御頭をたすけて刑事に
 はたらくようになったわけだが、
 「とても、あやつはつかいものにならん」
  と、上司たちにきめつけられている。

この初登場のときが寛政3年(1791)、24歳。鬼平の火盗改メ就任以前の6年前に父親が病死、18歳の彼が跡目をついだ。

母親あさも物故している。
縁者といえば、旗本・金森与左衛門の用人をつとめている叔父の中山茂兵衛ぐらい。この仁[5―4 おしゃべり源八]、[16―1 影法師]に顔を見せる。もちろん、同心・吉田藤七の4女・おたかとの婚儀の席では、忠吾の父親代わりをつとめたはず。

芝・神明前の菓子舗で売っている〔うさぎ饅頭〕にそっくりなので「兎忠」とよばれてもいる。
(兎饅頭の項を参照)

池波さんは現代青年ふうの忠吾を可愛がっていて、[谷中・いろは茶屋]以後の153話中107七話に登場させた(67パーセント)。

各文化センター[鬼平]クラスの受講者に忠吾お気に入りの理由を書いてもらったキーワードは、すでに紹介ずみ。

この忠吾がしっかりした判断をしめしたのは、長編[15 雲竜剣 急変の日]で、仕事の相方に最年長の同心・吉田藤七を選んだときである。
鬼平に、
「おや---?」
と、おもわせた。
男いっぴき、いつもでもコメディ・リリーフではいられない。
池波さんは、男のみがきどきをいいたかったのであろう。

つぶやき:
木村忠吾が、先輩の吉田藤七を仕事の相方に選んだのは、長篇[雲竜剣]で、東海道・南江(なんご)の松林の中の報謝宿を見張ったとき。

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岸井良衛『五街道細見』(青蛙房)

南江は、前掲の[おしゃべり源八]にも出てくるが、このときは岸井良衛『五街道細見』(青蛙房)の記述にしたがって(なんこ)とルビしているのに、[雲竜剣]ではなぜ(なんご)とにごらせた? と疑問を呈しているのは、鬼平熱愛倶楽部でともに学んでいる。相州藤沢宿の秋山太兵衛さん。

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2006.04.13

同心・木村忠吾と〔うさぎ饅頭〕

文庫巻2[谷中・いろ茶屋]で同心・木村忠吾が初登場する。寛政3年(1791)晩夏の事件で、忠吾23歳---それはいいとして、初登場の場が谷中のいろは茶屋の娼婦・お松とのベッドシーンというのだから、いかにもコメディー・リリーフにふさわしい。

この忠吾の綽名(あだな)が「兎忠」。
芝・神明の菓子舗〔まつむら〕で売り出している〔うさぎ饅頭(まんじゅう)〕そっくりだというのである。

そこで、各〔鬼平〕クラスに依頼するとともに製菓の業界誌にも記事を書いてもらって、全国から〔うさぎ饅頭(まんじゅう)〕をもとめた。27点集まったが、さて、忠吾にもっとも似ているのは?

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2010年の歳末に、セブン・イレブンで買った[うさぎ団子] 100円。
2011年が卯年ということでつくられたのであろう。

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1,2. 〔茶寮 風花〕(鎌倉・明月院門前)の〔うさぎ饅頭〕 栗餡の蒸し饅頭。1個200円
    新兵衛さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOB)投稿

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3. 〔三日月堂 花仙〕(鎌倉・建長寺の手前)のうさぎ饅頭。1個158円
   新兵衛さん投稿

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4. 〔塩瀬本舗〕 (東京・中央区)の月見饅頭 小豆、山芋、米粉など。発売時期は9月。三越限定。9個893円

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5. 〔塩瀬本舗〕のお月見和盆糖 発売時期同上。1箱893円

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6. 〔信濃路うさぎや〕 (長野県上田市) うさぎ最中 ごまあん。 5個入りパック525円

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7. 〔餅屋伝助〕 (長野県上田市) うさぎ餅 カスタードクリーム入り(白)と、チョコクリーム入り(薄茶)。1個115円

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8. 〔阿佐ヶ谷うさぎや〕 (東京・杉並区)のうさぎ饅頭 分家らしく小ぶり。1個140円
   小金井の住人さん(朝日CC〔鬼平〕クラスOB)投稿

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9. 〔花園万頭〕 (東京・新宿区)のうさぎ饅頭 紅白あり。1個160円
   町娘さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿

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10. 〔みずの〕 (東京・豊島区)のこうさぎ饅頭 砂糖、大和芋、米粉、小豆、小麦粉、寒天、天然色素。
   吉川さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿

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11. 〔みずの〕 (東京・豊島区)の月見(練切)
   吉川さん投稿

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12. 〔みずの〕 (東京・豊島区)のうきうき(缶入りらくがん)
   吉川さん投稿

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13. 〔日本橋うさぎや〕 (東京・中央区)のうさぎ饅頭 黒門町の〔うさぎや〕の分家。
   名無しさん(森下文化センター〔鬼平〕クラスOG)投稿


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14. 〔喜田屋〕 (東京・足立区)のまちやうさぎ 10個入り800円
田口社長投稿

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16,17 〔喜田屋〕 (東京・足立区)の饅頭うさぎうさぎ 小麦粉をじょうよ(芋)でつなぐ。漉し餡。4個入り6005y 
田口社長投稿

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18. 〔宮雀〕 (岡山市)のうさぎ饅頭 十勝産小豆、伊勢いも、上用粉。1個190円
    従業員・坂本ひとみさん投稿

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19. 〔松木屋〕 (静岡市)のうさぎ餅 太田蜀山人も賞したと。 満月を模した羽二重外皮にうさぎの焼印。1個100円
    八木忠由さん(SBS学苑パルシェ〔鬼平〕クラス)投稿

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20.  〔壺屋〕 (東京・文京区)のうさぎ饅頭 新粉と砂糖を山芋でつないだ皮。小豆餡。注文生産のみ。
   入倉さん(店主)投稿

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21,22. 〔三原堂〕 (東京・中央区)のうさぎ饅頭 1個200円
   三楽亭靖酔さん(鬼平熱愛倶楽部)投稿

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23. 本家〔うさぎや〕 (東京・千代田区)のうさぎ饅頭 卯歳のうまれの創業者を偲んで製作。 1個160円
    町娘さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿 

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24. 〔虎屋〕 (東京。港区)のうさぎ饅 カタログに薯蕷饅頭で作ったと。 1個370円
      深谷さん(学習院生涯学習センター〔鬼平〕クラスOG)投稿

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27.  〔中村軒〕 (京都市・桂)のうさぎ薯蕷 秋のみ 1個220円。冬は雪うさぎ 1個200円
     ご店主投稿

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28.   〔鞠子の宿本舗 月ヶ瀬〕のうさぎ饅頭 皮はとろろ芋とじょうねん粉 餡は白味噌と白餡 1個120円
     青山陽子さん(SBS学苑パルシェ〔鬼平〕クラス)投稿

 

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2006.04.09

同心・木村忠吾の年譜

30俵2人扶持

 亡母:あさ。父親の名は記述がない
 叔父:中山茂兵衛。
 下女:お杉([影法師])

明和5年 誕生 先手同心の長男。兄弟姉妹は不明
 (1968)
天明5年 18歳 亡父の後継者として家督
 (1785)       入組 [2-2谷中・いろは茶屋]
天明6年 19歳 長谷川平蔵、組頭に着任
 (1786)
天明7年 20歳 長谷川組、米騒動の鎮圧に
 (1787)     長谷川組、火盗改メに従事(助役)
天明8年 21歳 長谷川組、火盗改メ・本役に
 (1788)
寛政3年 24歳 荒川で釣人に化けて見張る[6-4  剣客]
 (1791)      いろは茶屋〔菱屋〕:お松
                    [2-2  谷中・いろは茶屋]
寛政4年 25歳 龍宝寺門前町〔松月庵〕でお雪を抱く
 (1792)                 [2-6  お雪の乳房]
寛政5年 26歳 長官・長谷川平蔵のお供で京へ
 (1793)    [3-2  盗法秘伝][3-3  艶婦の毒]など
寛政6年 27歳 鬼平の供で二本榎・細井邸へ
 (1794)                  [9-4  本門寺暮雪]
  〃      男色浪人に誘拐される[11-1 男色一本饂飩]
寛政7年 28歳 長谷川平蔵病死
 (1795)
寛政8年 29歳 一本眉事件[13-6 一本眉]
 (1796)     伊三次が刺殺される[14-5 五月闇]
  〃       伊三次の墓へ墓参[14-6 さむらい松五郎]
  〃       同心:吉田藤七の四女おたかと結婚
                  [15-5 雲竜剣 急変の日]
寛政9年 30歳 藤田彦八の妻の事件[19-4 逃げた妻]
 (1797)
寛政10年 31歳 上記事件の続篇[19-5 雪の果て]
 (1800)    市口又十郎とお弓の事件[21-3 麻布一本松]

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2006.04.02

木村忠吾を演じた志ん朝師匠の朗読

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(掲載誌2006年4月)

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志ん朝師匠の朗読CDセット

「おあとは、ご自分で……」

使命感に燃えた部下を働かせるリーダーとしての要諦、生きがいの持ち方、人情の機微、悪が生まれる根源--『鬼平犯科帳』は、池波正太郎さんが小説の形にしてぼくたちへ残してくださった豊潤な世界である。

いや、人によっては失われた季節感の再現を試みようし、気どらない江戸人の暮らしぶりにひたるであろうし、今夜の食卓にはこれをと舌なめりずりをしながら読んでもいよう。

『鬼平犯科帳』はそれほど多面的な楽しみを読み手に与えてくれるからこそ、文庫だけで二、三〇〇万部以上も刷られ、いまや国民文学の一方の雄となっている。

そう、国民文学--つまり大人の国語教科書なのである。しかも楽しく読める、というより自らすすんで読みたくなる国語読本。

含蓄に富んだ会話も、達意の表現も、心底からの笑いや泣かせ方も、すべて教えてくれる。

国語教科書なんだから小学生のときにやったように『鬼平犯科帳』は声をだして読んでみるべきだといおう。

黙読よりも音読のほうが適している小説がある、と喝破したのは池波さんと親しかった司馬遼太郎さんだが、教わるまでもなく、池波さんは文章を戯曲できたえぬいているから、一章書き上げるたびに自分で音読してはリズムを按配していたとしか思えないほど音感的なのである。

音読のお手本には、松本白鴎丈=鬼平のテレビで、木村忠吾を好演した志ん朝師匠の朗読四編がある。

間合いのとり方、会話の使いわけ、音声の高低--『鬼平犯科帳』の新しい次元が目の前に、いや、違った、耳のそばに広がるとは、このことであろう。

さすが、『鬼平犯科帳』に惚れこみ、生まれた息子さんを忠吾と名づけたご仁だけのことはある。

なのに、四編しかないのは、志ん朝さんとしては、
「おあとは、ご自分で……」
といいたかったのだと推察する。お手本としてはとびきり豪勢すぎるが。

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