『御仕置例類集』より(6)
長谷川平蔵名で、幕府評定所へ量刑をうかがった伺い状を、『御仕置例類集』から順次、紹介している。
○盗み (寛政元年) 四十七番
下総国葛飾郡 北方村百姓 彦八 品取り上・所払
上記のもの、盗品と知りながら、夜具・衣類・その外の品々を安く買い取った上で、売り払ったり、埋めたり、質入れしたこと不埒につき、まだ所持している品を取り上げたうえ、所払。
裁決---上記の犯罪であれば、ふつうは入墨の上・敲きであろうが、盗人との関わりの程度によっては死罪の前例もある。吟味した結果、彦八は、当の盗人の下総無宿のやっこ久次郎こと清蔵とずっと関わりつづけているとはいえないが、無宿とわかっての者から、盗品と知りつつ買い取ったのは、盗人の同類と断じ、死罪。
○盗み (寛政元年)
五十ニ番
小日向西古川町 吉兵衛店 つた倅・八五郎
外一人 叱り
上記のもの、母つたが盗んだ衣類をたびたび持参したのだから、怪しいとおもわなければならないのに、なおざりにしていたこと、不埒につき、叱り。
裁決---持参した衣類や帯を知人から借りたと母つたは偽ったか、盗品と気づかなかったのは不心得につき、伺いの通り叱り。
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