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2006.06.27

『御仕置例類集』より(4)

長谷川平蔵に関する、信憑性のある史料はきわめてすくない。
まずは、この、『御仕置例類集』の伺い状
つぎは、『徳川実紀』
そして、『寛政重修(ちょうしゅう)諸家譜』(ただし、辰蔵が書き上げたものに、幕府の学者のテが入っている)。
あとは、風評伝承で、にわかには信じがたい。

で、長谷川平蔵名で、幕府評定所量刑をうかがった伺い状、『御仕置例類集』から順次、紹介している。

○盗み   (天明八年) 三十五番
 千住四丁目 百姓 又四郎
                入墨・敲きの上、村役人へ引渡し

右のもの、無宿・吉五郎に頼まれ、盗物と知りながら、二度まで衣類を質入し、質代金のうちから謝礼を貰い受けた。
また、吉五郎が盗んだことを知って強請り同然に衣類や銭を借りたのは、配分同様といえるので、上記の刑といたしたい。
裁決---盗物と知りながら代わりに両度も質入して礼金をとったも者は、御定書(おさだめがき)によると死罪である。しかし、このたびは宝暦6年の判例のほうにしたがい、
入墨の上、重追放

Irezumizu
入墨の図(『風俗画報』より)

○盗み   (天明八年) 三十五番
 千住小塚原町 安兵衛店 平次郎
             代銭をもって損失を償う      
上記のもの、盗物とは知らなかったとはいえ、氏名も住所も聞かず、出所も糺さないで松板を買い取り、店売りしたのは不埒につき上の刑。
裁決---持ち主・善右衛門へ、伺いの通り償う

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