カテゴリー「128奈良県 」の記事

2006.03.17

道場主・大河内一平

『鬼平犯科帳』文庫巻3の[兇剣]で、秘密を小間使いのむすめ・およねに知られた〔高津(こうづ)〕の玄丹が、およねを連れている鬼平を襲撃のために集めた浪人者13名の頭目格なのが、道場主で一刀流の遣い手の大河内一平。
(参照: 〔高津〕の玄丹の項)
玄丹の援助をたっぷりとうけている道場は、大坂の北方・王仁塚(わにつか)にあり、妻子とともにそこで暮らしている。

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年齢・容姿:40がらみ。大男。
生国:大和郡山(こおりやま)の浪人とあるから、大和(やまと)国添下郡(そえかみこおり)郡山(現・奈良県大和郡山市本町)。

襲撃の顛末:うまく鬼平とおよねをしとめれば100両と玄丹からいわれた大河内は、浪人たちを率いて歌姫越えをして奈良へ入った。
奈良を出た柳本の半里手前で鬼平たちの姿を目にした一隊は、斬りかかったが、たちまち3人が鬼平に斬りふせられた。
大河内一平の剣が、疲れを見せた鬼平の脇腹を浅くえぐった。さらに頭上へ剛刀を振り下ろそうとしたとき、その背中に小刀が突きささっていた。岸井左馬之助が助太刀にあらわれたのである。

つぶやき:商都大坂で、玄丹の援助を受けている大河内一平と、その庇護下にある身なりも血色もいい一隊はともかくとして、そうでない浪人たちは何をして収入を得ていたろう。商家の用心棒だったろうか。
大河内にしても、道場主としての収入はほとんどなかったのではあるまいか。
浪人たちには生きにくい街であったろう。

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2005.12.24

〔奈良山(ならやま)〕の与市

『鬼平犯科帳』文庫巻7に所載[隠居金七百両]で、4年前、大盗賊の首領〔白峰(しらみね)〕の太四郎(72歳)は、配下の〔堀切(ほりきり)〕の次郎助(58歳)の引退を許し、雑司ヶ谷の鬼子母神・参道の茶店〔笹や〕を買ってやり、自分の隠居金700両の秘匿を約束させた。
(参照: 〔白峰〕の太四郎の項 )
(参照: 〔堀切〕の次郎助の項 )
その秘匿金をゆすりに来たのが〔奈良山(ならやま)〕の与市だった。与市は太四郎の妾おせいの実兄で、妹から700両が一味の〔薬師(やくし)〕の半平(中年)によって次郎助の許へ運ばれたのを聞き出していた。
(参照: 〔薬師〕の半平

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年齢・容姿:40前か。妹おせいが72歳の太兵衛の妾ということからの推量。凶暴な性格。
生国:大和(ヤマト)国平群郡(へぐりこおり)若井村(奈良県生駒郡平群町若井)。
与市が〔生駒(いこま)〕の仙右衛門の紹介で〔白峰〕一味な一時いたというのを手がかりに、地縁を探して若井村と仮定したが、自信はない。地元の鬼平ファンの考察、ご教示を待つ。
(参照: 〔生駒〕の仙右衛門の項)
「奈良山」を『日本歴史地名大系 奈良県編』(平凡社)は「奈良市と木津町との間に東西に広がる低い丘陵をいう。大和と山城の国境となった。西は生駒山地の裾、東は笠置山地の裾につづく」と解説。

探索の発端:長谷川平蔵の嫡男・辰蔵が、鬼子母神・参道の茶店〔笹や〕のむすめ・お順を見初(みそ)めた。遊び仲間の阿部弥太郎にいわせると「芋の煮ころがしのような小むすめ」のお順をである。
そのお順がかどわかされるところへ偶然に行きあわせた辰蔵が、〔掘切〕の次郎助が隠した700両をねらっている〔奈良山〕の与市の存在を知り、盗人たちの全貌が明らかになった。

結末:捕らえられた与市と弟分の孫吉は、死罪であったろう。
〔掘切〕の次郎助は事件が解決した夜、腸捻転のような病気で死んだ。
火盗改メからの連絡で、京都・下寺町に潜んでいた〔白峰〕の太四郎とその妾おせいを、京都町奉行所は取り逃がした。

つぶやき:若い男性は、辰蔵のように乙女に手軽に興味をそそられるタイプの男性と、一生の伴侶をと思いつめる男性の、2タイプに分類できる気がする。
辰蔵や木村忠吾は前者、小柳安五郎は後者のタイプだろう。

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2005.12.16

〔大和屋(やまとや)〕栄次郎

『鬼平犯科帳』文庫巻3の[兇剣]に登場する、大和国(奈良県)大泉村うまれのむすめ・およねを、大坂・道頓堀川の東、下大和橋の南たもとで、〔讃岐・金毘羅出船所・諸国御宿〕の看板を出している〔出雲屋〕の主人・丹兵衛(60をこえた)のもとへ女中として口をきいたのが、大坂・堺すじ唐物町で小さな呉服店を出している〔大和屋〕栄次郎であった。
(参照: 〔高津〕の玄丹の項)
およねは、玄丹(出雲屋丹兵衛)一味が、大坂町奉行所の同心・稲垣鶴太郎(30がらみ)殺しを見てしまい、一味から命をねらわれるが、鬼平にかくまわれた。

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年齢・容姿:どちらの記述もない。
生国:大和(やまと)国式上郡(しきのかみこおり)柳本村(現・奈良県天理市柳本町)。

探索の発端:g)京都の嵯峨野で、およねが鬼平に助けを求めたことから、事件の臭いをかぎとった鬼平が、歌姫街道をたどっての奈良見物に伴った。それを追う玄丹一味の浪人たちの存在で、辞退は一気に展開しはじめた。

結末:大泉村の大庄屋・渡辺家を襲った玄丹一味は、京都西町奉行・浦部彦太郎(40すぎ)が手くばりした代官屋敷から出動した組に捕らえられた。
盗人だった〔大和屋〕栄次郎ものちに捕まった。稲垣同心は、〔大和屋〕が盗人とうすうす気づいていて、その先を恐れた玄丹に殺されたのであつた。
玄丹は、1か月後に紀州・那賀郡・喜志で捕縛された。

つぶやき:連載第18話目にあたるこの篇は、ふだんの分量の倍もある中篇となっているのは、『鬼平犯科帳』の人気がようやく高まり、池波さんの裁量が『オール讀物』編集部内であるていど許されてきていたと見る---と、〔高津〕の玄丹の項で書いた。
人気の高まりがどれほどであったかは、いまとなってははかるすべもないが、松本幸四郎(白鴎丈)さんによるテレビ化の話は、このころ、着々と具体化していた。

さて、大和国大泉村へ、天領・辻村の代官屋敷から捕り方が出動したとあります。この磯城郡(しきこおり)辻村出身の人物が、『剣客商売』の第2話に登場する嶋岡礼蔵である。
[兇賊]の『オール讀物』への掲載は1969年7月号、[剣の製薬]は3年遅れの1972年2月号の『小説新潮』。池波さんがこの辻村に興味をもったのは、なにによってであろうか。謎がまた一つできた。

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2005.12.12

〔大和屋(やまとや)〕金兵衛

『鬼平犯科帳』文庫巻5に所載の[深川・千鳥橋]に、脇役として登場する鰻店の〔大和屋(やまとや)〕金兵衛は、大盗〔蓑火(みのひ)〕の喜之助の配下として30年ものあいだ忠実にはたらき、老齢を理由に喜之助(62歳)が一味を解散したのを機に、すっぱりと足を洗い、もらった退(ひ)き金140余両にもち金をあわせ、上野山下の仏店(ほとけだな)に蒲焼の店をはじめたのが、5年前(天明4年 1784)だった。
(参照: 〔蓑火〕の喜之助の項)
店構えも小ざっぱりしているし、はじめから腕のよい職人をあつめたので、たちまち評判となった。
そこへ、〔蓑火〕時代に図面のことでお頭・喜之助へ何度か口をきいてやった大工あがりの〔間取(まど)り〕の万三(51歳)が訪ねてき、手元に残っている5枚の間取り図を売りたいという。
(参照: 〔間取り〕の万三の項)
自分はすでに足を洗っているからと、〔己斐(こひ)の文蔵(40をこえている)に引きあわせた。
(参照: 〔己斐〕の文助の項)
〔己斐〕の文三は〔夜兎(ようさぎ)〕の角右衛門の下で15年間腕をみがいたのち、腕のいい錠前外しとしてひとりばたきをしている。
(参照: 〔夜兎〕の角右衛門の項 )

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年齢・容姿:60過ぎ。柔和な人柄。
生国:記述はされていないが屋号と、引く前の住まいが上方だったことから、大和(やまと)国(現・奈良県)のどこか、と推察。

(探索の発端)密偵になった〔大滝(おおたき)〕の五郎蔵が、逮捕とないという口約束を鬼平とし、〔間取り〕の万三を見つけるために、〔大和屋〕を見張った。
(参照: 〔大滝〕の五郎蔵の項)
鬼平が〔間取り〕の万三に執着したのは、図面を買った盗賊たちの情報がほしかったからである。

結末:五郎蔵も、足を洗って正業についているかつての同僚の金兵衛のことまでは、鬼平にもらしていなかったから、火盗改メは金兵衛の前身には気づかなかった。

つぶやき:
それにしても、池波さんの配慮も行きとどいている。〔間取り〕の万三が身の始末金をひねりだすために、間取り図の買い手をさがしたとき、〔大和屋〕金兵衛に、
「これからはう、私が手引をするわけにゃあいかないが---そのかわり、しっかりした人をお前さんに引き合せよう」
といわせて、盗めがらみのことには、直接にはタッチしないように設定している。もっとも、江戸時代の刑法では、紹介者も連帯して罰せられたはずだが。

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2005.10.19

〔唐戸(からと)〕の為八

『仕掛人・藤枝梅安』文庫巻3におさめられている[梅安流れ星]で、木挽町3丁目の料亭〔吉野屋〕の亭主・久蔵(47歳)をゆするために、その愛娘お梅(5歳)を誘拐した元盗賊で浪人の林又右衛門(37,8歳)は、お梅を、麻布の広尾に近い江戸における盗人宿へかくまった。
(参照: 〔浅羽〕の久蔵の項)
(参照: 浪人・林又右衛門の項)
3年前から盗人宿を預かっているのが、〔唐戸(からと)〕の為八である。

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年齢・容姿:老盗賊とのみで、詳細の記述はない。
生国:大和(やまと)国吉野郡(よしのこうり)唐戸村(現・奈良県吉野郡西吉野村唐戸)。
林又右衛門の働き場所が上方から西国とあるので、京都市南区上鳥羽唐戸町も、山口県下関市唐戸町も該当する。しかし、『旧高旧領』には上記2カ所が載っていない。それで、吉野の唐戸を採った。

事件の発端:品川宿の徒行(かち)新宿3丁目で水茶屋をやっている玉屋七兵衛が仕掛人の彦次郎に、浪人・林又右衛門の仕掛けを一度頼んだあと、取り消したことから、梅安と彦次郎が疑惑をもった。

結末:馬を使った仕掛けで、林又右衛門は殺された。また、仕掛けの依頼の作法に外れた玉屋七兵衛も、同様に2人によって始末された。

つぶやき:端役も端役だが、ちゃんと「通り名(呼び名)」がつけられているからには、生国を探さないわけにはいかない。
しかも、候補地が3カ所もあるのだ。とりわけ、まだ1人も登場していない山口県の県名を目にしたときには、ここに来い! と願った。
しかし今回もまたむなしかった。

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2005.08.07

〔塩井(しおのい)〕の卯兵衛

『鬼平犯科帳』文庫巻18に収められている[蛇苺]は、〔沼目(ぬまめ)〕の太四郎(42歳)と「甞役」の〔針ヶ谷(はりがや)〕の宗助(44歳)、その女房で色好きのおさわ(30歳)を交えての、色情がらみの物語である。
老爺の〔塩井(しおのい)〕の卯兵衛が、上方と江戸を交互にあらしている〔沼目〕の太四郎とどこでからむかというと、太四郎が上方へ盗めているときの、浅草・阿倍川町の法成寺(豊島区駒込6丁目へ移転)の裏手の盗人宿を預かっているのが卯兵衛なのである。
(参照: 〔沼目〕の太四郎の項)

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年齢・容姿:どちらも記述がない。
生国:大和(やまと)国宇陀郡(うだこうり)塩井村(現・奈良県宇陀郡曽爾(そに)村塩井)
塩井は山形県米沢市にもあるが、『旧高旧領』に記載されているのは上記のみ。

探索の発端:〔沼目(ぬまめ)〕の太四郎と〔針ヶ谷(はりがや)〕の宗助は、鬼平が亀戸天神の門前の料理店〔玉屋〕で鯉料理を食しての帰路、辻斬りに行きあわせたことから探索がはじまり、おさわも網にかかったが、塩井(しおのい)〕の卯兵衛の存在は、火盗改メも目こぼしてしまっている。

結末:したがって、この仁の結末は書かれていない。

つぶやき:脇役の中でも吹けばとぶような脇役---記述が1行しかない仁なので、扱いには手こずる。
話題を変えよう。『鬼平犯科帳』に登場する江戸とその近郊の寺院は208。うち、江戸期の火災や指令、維新と明治初年の排仏毀、つづく区画整理、大正の大震災、昭和の空襲などで移転した寺院は28---15%に近い。
それらの1寺ずつの経緯を調べることで、江戸の歴史への道が開ける。

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2005.08.05

〔生駒(いこま)〕の仙右衛門

『鬼平犯科帳』文庫巻7に収められている[掻掘のおけい]で、男なら木村忠吾ならずとも好きごころをそそられる女賊、〔掻掘(かいぼり)〕のおけいの後ろ盾といわれている大坂が本拠の巨盗〔生駒(いこま)〕の仙右衛門。ただし、この篇ではご本尊はまだ江戸には姿を見せない。下府してきているのは配下のみ。
(参照: 〔掻掘〕のおけいの項)
大坂では、表向きは心斎橋・北詰に〔山家(やまが)屋〕という屋号をかかげているもぐさ問屋の主人。
次の2編でも、火盗改メとかかわる。
巻8[あきれた奴]で〔鹿留(しかとめ)〕の又八をだますようにして引き込んだ〔雨畑(あまばた)の紋三郎は、かつて〔生駒〕の下にいた。
(参照: 〔鹿留〕の又八の項)
(参照: 〔雨畑〕の紋三郎の項)
また、同じ巻8[流星]で、腕の立つ浪人2人を江戸へさしむけて鬼平の眼を撹乱させようとしたのも、〔生駒〕の仙右衛門である。

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年齢・容姿:62歳。小肥りの躰。品のよい白髪頭。あざやかな血色。
生国:大和(やまと)国平群郡(へぐりこうり)信貴畑(しぎはた)村(現・奈良県生駒郡平群町信貴畑)
大坂の生駒町も考えたが、奈良県側の生駒山地あたりから大坂へやってきて、裏の世界でのしあがった男と見たほうが大物らしいとかんがえただけのことである。

探索の発端:この篇では、探索の手は、大坂にいる本人にはまだ及んではこない。

結末:したがって、捕縛されたのは、実行犯の〔和尚(おしょう)〕の半平一味と、手引きをした〔掻掘(かいぼり)〕のおけいである。
(参照: 〔和尚〕の半平の項)

つぶやき:妖艶な〔掻掘(かいぼり)〕を、後ろ盾の巨盗〔生駒(いこま)〕の仙右衛門はつまんだろうか---などと想像するのは、下司(げす)の勘ぐりというもの。
盗賊団のお頭は、腕力と資力と統率力が売りものの猿山のボス猿とおなじで、すべては意のままである。とともに、完全庇護のつとめもはたさないといけない。
まあ、62歳だし、血圧も高めのようだから、おけいとのことは、むかしのことと見ておこう。

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2005.07.20

〔高窓(たかまど)〕の久兵衛

『鬼平犯科帳』文庫巻13の巻頭に据えられている[熱海みやげの宝物]は、〔甞帳(なめちょう)〕〔甞役(なめやく)〕といった、池波さん独特の用語が初登場する篇である。
『オール讀物』1975年7月号に発表されたが、その前の6カ月間は休載。
休載中の半年のあいだにも、『鬼平犯科帳』の想を練っていたことがこの〔甞帳〕〔甞役〕という池波用語からもうかがえる。
〔甞役〕は大坂の地蔵坂に本拠を置く〔高窓(たかまど)〕の久兵衛の配下、〔馬蕗(うまぶき)〕の利平治であることは、いうまでもない。
(参照: 〔馬蕗〕の利平治の項)

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年齢・容姿:70歳をこえて卒中で死亡。容姿の記述はない。
生国:大和(やまと)国平群郡(へぐりこうり)白毫寺(びゃくごうじ)村(現・奈良県奈良市白毫寺町)。
〔高窓〕という地名は江戸期にはない。それで、池波さんは、レイモンド・チャンドラーによる私立探偵フィリップ・マーロウものの『高い窓』に影響されてつけた「通り名(呼び名)」かな、と長いこと錯覚していた。
あるとき、〔高窓〕(たかまど)「高円(たかまど)」とヒラメイた。高円山(たかまどやま)は白毫寺町の東にあって432.2メートル、北の三笠山とつながる。
 高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人無しに 
                            (『万葉集』巻ニ)
池波さんは、〔高窓(たかまど)〕の久兵衛を、高円山のふもとの村の出生と仮定したのであろう。

探索の発端:彦十は、かつて見知っていた〔馬蕗〕の利平治が熱海の湯へつかりにきているのを見かけた。接触すると、お頭〔高窓(たかまど)〕の久兵衛が病死したので、消息が絶えている嫡男・〔布屋〕久太郎を探しているが、一味の後継をめぐっ争いが起きている、と訴えた。
(参照: 〔布屋〕久太郎の項)
後継騒ぎをおこしているのは、浪人あがりの高橋九十郎だった。

結末:〔高窓〕一味を乗っとった高橋一派は、鬼平の手配りで全員逮捕。〔馬蕗〕の利平治は無事に〔布屋〕久太郎に会たが、久太郎は盗人稼業から足をあらうという。
お頭を失った利平治は、命のつぎに大切な〔甞帳〕を鬼平へ差しだして、密偵となる。

つぶやき:この[熱海みやげの宝物]は、寛政7年(1795)1月の事件である。史実をいうと、この年の初夏、長谷川平蔵は床につき、旧暦5月10日に逝った。
小説のほうは、史実の平蔵の死後3年ほどもつづいている。もちろん、読者の要請による継続だったが、池波さんとしては、(こころならずも---)の気分だったのではなかろうか。

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