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2006.06.21

『御仕置例類集』より(2)

○盗み    (天明七年) 三十五番
 板橋無宿・三之助坊主    死罪

三之助坊主は、板橋宿・豆腐屋で木綿反物一つをかたりとり、護国寺裏門の番所脇で竿にかかっていた木綿袷を拾った。、本郷新町屋の茶店では茶釜にかかっていた薬缶を、また湯横町では町屋の表庇の下に積んであった醤油を1樽をぬすんで売りはらった。
芝口3丁目では同類が馴れあって、飯釜・茶釜・銅壺蓋を盗みとったときは見張りに立って分け前を受け取った。
上野山下では銀入りのサイフを抜きとり、本郷3丁目では銭の入りのサイフを切りとった。
このほかにも、人ごみの場所で、腰銭、たもと銭や懐中の銭、を抜きとったのは不届きにつき、入墨の上。重敲き・門前払いといたしたい。
裁決---芝口3丁目では、無宿・伊勢乙が小屋がけ住居の板囲いを乗り越え、戸口の鉄錠前をこじあけて侵入しているのを外で見張った。自分は中へ入らずともこれは死罪

○盗み    (天明七年) 三十五番
 本所無宿・政次    入墨の上、重敲き・門前払い

政次は身持ち不埒で無宿となり、本所南割下水屋敷・門番所の戸が開いていたので侵入し、布子や引解を盗みんで売り払った。
石原町の辻番所でも質物代銭をとってにげている。
林町2丁目の屋敷稲荷で鉄灯篭・真鍮幣・木綿幟を盗んで隠しおいた。不届きなので上記の処分といたしたい。
入墨の上、重敲き・門前払い

Irezumis
『風俗画報』より

つぶやき:
政次の件がおなじ事件番号で、しかも頭書に「板橋無宿・三之助坊主、盗みいたし候一件」とあるから、三之助とどこかの盗みでかかわりあったのであろう。

天明7年の長谷川平蔵名義の伺い事件は、昨日紹介した分とこの分の2事件のみである。
もちろん、火盗改メは裁判権を持っているから、評定所へ伺いをあげるまでもなく独自で裁決した簡明な事件もあろうし、町奉行所送りとした事件も多かったろう。

また、三之助の犯罪伺いであきらかなように、ある時期まで、長谷川組の伺いは、評定所の裁決よりも1ランク軽い量刑を書いて伺う傾向があった。 

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