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2006.09.02

9月2日のハイライト

文庫巻6-4[狐火]をアップ

本篇は、おまさのために鬼平の許を去って京都へ行ってしまう、鬼平ファンにとってはショッキングな事態となる物語だから、ほんらいなら、おまさの心情の経緯を追うのが本筋かもしれない。

しかし、ここで、注目してほしいのは、池波さん の類い稀な造語力
盗賊用語とうぞくようご)については別項をたてて紹介しているので、きょうは、家伝薬のネーミング

〔延寿不問丸〕なる秘薬は、存在しなかった。

それを、池波さん は、『江戸買物独案内』2個の広告から、部分を抽出・合体させて創りだしてしまった。
「延寿」にしても、「不問丸」にしても、先人が頭をひねって考案した、効き目のありがたそうな薬名である。
それを2個つなげたのだから、効き目は2倍(?)か。いや、読み手はそう信じるだろう。

江戸期の売薬のネーミングの秀逸さについては、稿を改めて解説しよう。

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