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2005.07.08

〔竹森(たけもり)〕の彦造

『鬼平犯科帳』文庫巻6に収録されている[狐火]に登場。〔狐火(きつねび)〕の2代目を勝手に自称する文吉が、腹ちがいの兄・又太郎と別れて去ったとき、文吉にしたがって一味を抜けていった盗人。若いころ、仙台藩の中間部屋へいたこともあり、剣術が多少はでき、先代〔狐火〕の勇五郎の左腕といわれていた。
(参照: 〔狐火〕の勇五郎 2代目の項)

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年齢・容姿:39歳。容姿の記述はない。
生国:備後(びんご)国奴可郡(ぬかごうり)竹森村(現・広島県比婆(ひば)郡東城町竹森)
甲斐国山梨郡、羽前国置賜郡、越後国三島郡にも竹森村があるが、鳥取県に近い中国山脈の中の広島県のここを採ったのは、京都に本拠を置いていた〔狐火(きつねび)〕へなら、羽前や越後よりも近いとみたことと、広島県出身者がこれまで1人もいなかったので、つい、選んでしまった。

探索の発端:親類の法事に佐倉へ出向いた帰り、松戸に一泊して中川の新宿の渡し場へやってきた密偵おまさが、茶店の亭主におさまっている、かつての〔〔狐火〕一味の右腕だった〔瀬戸川(せとがわ)〕の源七を見かけた。
(参照: 女密偵おまさの項 )
(参照: 〔瀬戸川〕の源七の項)
一家皆殺しの凶行のあと、〔狐火〕の札を残していく賊が上方に出たことで、〔狐火〕の2代目を継いだ又太郎が〔瀬戸川〕の源七のところへやってき、先代が死ぬ前に〔竹森〕の彦造に命じたこともないがしろにしていること、文吉を殺して〔狐火〕を名のろうとしていることも判明した。

結末:文吉を殺して自分が〔狐火〕を名のろうとしていることを悟った文吉が、先に彦造を殺害。

つぶやき:広島県の鬼平ファンは、〔竹森〕の彦造のように没義道な盗人でなく、もうすこしましな盗人の出身県にしてくれ、とおっしゃるかもしれない。
また、彦造が仙台藩の中間をやっていたこともあるというなら、羽前国置賜郡竹森村の出身と見たほうが理にかなっていないか、という方もいよう。
ま、今回は、目をつむっていただきたい。

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コメント

実をいうと、未読のものに関しては極力読まないように飛ばしていたのですが、(五月闇で伊三次が死ぬのをここで知ってしまったから)地名だけなら追うのもいいかもと最近は盗賊の名前が出るとネットの地図で検索をかけています。
場所の特定というのではなく、単なる検索魔なだけなんですけど。

現存している竹森(北海道・九州を除く)
竹森山 山形県東置賜郡高畠町 http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=38.0.54.007&el=140.11.11.000&la=1&fi=1&prem=0&skey=%c3%dd%bf%b9&sc=4
竹森沢 山形県最上郡戸沢村 http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=38.46.41.232&el=140.6.32.753&la=1&fi=1&prem=0&skey=%c3%dd%bf%b9&sc=5
竹森川 山梨県塩山市 http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.43.41.170&el=138.44.55.463&la=1&fi=1&prem=0&skey=%c3%dd%bf%b9&sc=4
宮城県石巻市沼津竹森 http://map.livedoor.com/map/?ZM=9&CNT=1&P=ic2E141.23.4.0N38.26.47.1&SZ=500%2C320&MAP=E141.23.4.0N38.26.47.1
山形県東置賜郡高畠町竹森(竹森山) http://map.livedoor.com/map/?ZM=9&CNT=1&P=ic2E140.11.1.6N38.00.49.7&SZ=500%2C320&MAP=E140.11.1.6N38.00.49.7
新潟県三島郡寺泊町竹森 http://map.livedoor.com/map/?ZM=9&CNT=1&P=ic2E138.49.2.2N37.37.14.4&SZ=500%2C320&MAP=E138.49.2.2N37.37.14.4
山梨県塩山市竹森(竹森川) http://map.livedoor.com/map/?ZM=8&CNT=1&P=ic2E138.44.46.3N35.43.35.3&SZ=500%2C320&MAP=E138.44.46.3N35.43.35.3
島根県江津市波積町本郷竹森 http://map.livedoor.com/map/?ZM=8&CNT=1&P=ic2E132.20.8.2N35.01.48.8&SZ=500%2C320&MAP=E132.20.8.2N35.01.48.8

竹森はこんな感じ。実際に昔からあったかどうかまでは調べていません。
やけに多い知名だとこんな書き込みもできませんが・・・

投稿: 豊島のお幾 | 2005.07.08 12:54

>豊島のお幾さん

さすが、検索のお幾さん、ですね!

ぼくも、江戸時代の地名は、googleの「旧高旧領」で調べます。これは、正しくは「旧高旧領取調帳」と呼ばれているもので、近藤書店から5冊か6冊になって出ていて、@5,000円ちょっと。引くのがたいへん。でも、歴博の方たちがデータベース化してくださって、かんたんに検索できます。

このあと、現代の「竹森」を、CD版「郵便番号簿」で確認します。

もちろん、すべての前に、吉田東伍博士の『大日本地名辞書』であたってはおきます。

投稿: ちゅうすけ | 2005.07.09 11:18

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