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2006.11.20

田沼時代の賄賂

100_3 直木賞作家・佐藤雅美さんの初期の著作に『江戸の経済官僚』(徳間文庫 1994.4.15)がある。
小説『田沼意次 主殿の税』(講談社文庫 のち人物文庫)のもとになった論述である。

『江戸の経済官僚』は、最初は1989年に、太陽企画出版から単行本ででた。たしか、竹村健一さんが関係している出版社のはずだから、感度の鋭い竹村さんの示唆で本になったのかもしれない。

そのことはおいて、『江戸の経済官僚』は、田沼意次に先だつ時代に賄賂がはびこったのは、財政難の幕府が諸大名への天下普請を復活したからだと指摘している。
諸藩とすれば、自藩とはまったく関係のない河川の改修などに何10万両も使わせられるよりも、その50分の1の1000両を幕府高官たちへ贈って普請の下命をのがれたほうが経済的だと判断したのだと。

天下普請のもとはといえば、家康が全国支配を完了して幕府を開いたときに、全国からの徴税権を忘れたところにある---と。

佐藤さんは学者ではないから、すぱすぱと歯切れよくものをいいきる。
で、読み手は、「一理ある」と納得してしまう。

田沼への賄賂取りの風評も、つい信じてしまいそうだが、田沼個人のことは別として、天下普請のがれが賄賂の横行の原因の一つであったことはうなずける。

賄賂の目的はそれだけでなく、猟官もあろうし、利権あさりもあったろうが。

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