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2005.10.24

仕掛人・金子半四郎

『鬼平犯科帳』文庫巻1に収録されているシリーズ第6話(正確には第5話)[暗剣白梅香]で、鬼平の暗殺を引き受ける浪人・金子半四郎は20年来、親の敵(かたき)をさがして旅をつづけているうちに、大坂で〔白子(しらこ)〕の菊右衛門の手によって仕掛人の仕立てられてしまう。
(参照: 〔白子〕の菊右衛門の項)
江戸で、鬼平の暗殺を以来したのは根津の顔役〔三の松〕平十であった。起(おこ)りは〔蛇(くちなわ)〕の平十郎。
(参照: 〔三の松〕平十の項 )
(参照: 〔蛇〕の平十郎の項)

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年齢・容姿:38歳(寛政2年 1790)。色白の、頬骨が張った細面。ふとやかな鼻、濃い眉。眼球が見えないほどに細い目。総髪。ひげは剃っている。女のようにやさしい声音(こわね)。
生国:伊予(いよ)国喜多郡(きたこうり)大洲(おおず)村(現・愛媛県大洲市)

探索の発端:右側は浜御殿という汐留川ぞいの道で、鬼平は刺客に襲われた。抜きあわす前に走って間をとったのが幸いして斬られずにすんだが、鋭い太刀風であった。
曲者があとにのこしたのは、なんともいえず妖しげな香り。
同じ香りをつけていた湯島横町の菓子舗〔近江や〕の女将が、池の端・仲町の〔浪花や〕の〔白梅香〕だと告げたので、同店に張りこんでいた同心・酒井祐助だったが、金子を逃がしてしまった。

結末:横川の扇橋の南、石島町の船宿〔鶴や〕で岸井左馬之助と酒を酌みかわしている鬼平を狙って入ってきた金子半四郎は、階段で、亭主の利右衛門(じつは敵の森為之介)に包丁で刺されてあっけなく返り討たれてしまう。

つぶやき:盗賊が火盗改メのお頭の仕掛けを依頼するという、池波さんの発明の仕掛人稼業をからませた篇。鬼平が襲われる最初の物語である。それだけに、舞台設定も凝っている。
こののちに、森為之介は細君の里の近江国へ身を隠すので、船宿は〔小房〕の粂八が預かり、〔五鉄〕と並んでシリーズの主要ポイントの一つとなる。
(参照: 〔小房〕の粂八の項)

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