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2005.11.22

〔狢(むじな)〕の豊蔵

『鬼平犯科帳』文庫巻16にはいっている[見張りの糸]は、品川の旧友宅へ一泊した〔相模(さがみ)〕の彦十が、飯盛旅籠から出てきた〔狢(むじな)〕の豊蔵の弟の〔稲荷(いなり)〕の金太郎(50がらみ)を見かけて尾行(つ)け、三田八幡宮(御田八幡神社 港区三田3丁目)門前の茶店〔大黒や〕へはいっていったのを突きとめたことから、2重3重の事件へと発展していく物語。
(参照: 〔稲荷〕の金太郎の項)

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品川駅(『江戸名所図会』より 塗り絵師:西尾 忠久)

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年齢・容姿:どちらの記述もないが、弟の年齢から推察して、60歳前か。剽軽(ひょうきん)。
生国:武蔵(むさし)国比企郡(ひきこおり)上狢村(現・埼玉県比企郡川島町上狢)。

探索の発端:上記のとおり。〔狢〕の豊蔵が登場するのは名前のみ。

結末:したがって、捕縛もない。

つぶやき:鳥山石燕『画図百鬼夜行』に、なんとも剽軽(ひょうきん)でとぼけた風貌の「狢」が描かれている。池波さんの「剽軽」との表現の出所であろう。
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絵に添えられているのは---、
「狢の化(ばく)る事、おさおさ狐狸におとらず。ある辻堂に、年ふるむじな僧とばけて、六時の勤(つとめ)おこたらざりしが、食後の一睡にわれを忘れて尾を出せり」
あくまで、剽軽。

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