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2005.12.27

浪人刺客(しかく)・杉浦要次郎

『鬼平犯科帳』文庫巻8に収められている篇の中では中篇に近い[流星]で、浪人刺客・杉浦要次郎は、江戸への足がかりを意図している大坂の巨盗〔生駒(いこま)〕の仙右衛門(62歳)の命を受け、隠れ家にしていた河内(かわち)国茨田郡(まんだこおり)枚方(ひらかた)村名物---〔くらわんか舟〕の船頭・村五郎の家から、江戸へ向う。
(参照: 〔生駒〕の仙右衛門の項)
同僚は、やはり浪人刺客の沖源蔵(40すぎ)。25両ずつの仕掛け金を〔生駒〕の仙右衛門からもらっている。
(参照: 浪人刺客・沖源蔵の項)
江戸での隠れ家は、豊島郡染井村の植木屋〔植半〕の小屋。

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年齢・容姿:30をすぎたばかり。一文字眉の精悍に顔貌。長身痩躯。
生国:北河内(大阪府北河内郡)のどこかと推定。

探索の発端:刺客の沖源蔵が惨殺した長谷川組の同心・原田一之助の妻女・きよ、先手の山本伊予守組の木下同心などにより、火盗改メの必死の探索が始まった。
一方、杉浦要次郎のたっての希望で、2人は登城途中の鬼平の姿を、3か月前に先発し、江戸の盗賊の頭領〔鹿山(しかやま)〕の市之助(年齢不詳)との連絡役をつとめている〔津村(つむら)〕の喜平から指さされた。
(参照: 〔鹿山の市之助の項)
(参照: 〔津村〕の喜平の項)

結末:巣鴨の庚申塚の立場で鬼平を見かけた2人は、板橋宿の裏道で乗馬している鬼平へ斬りかかったが、逆に2人とも深傷をおい、捕縛された。磔刑であろう。

つぶやき:〔生駒〕の仙右衛門からは、鬼平を殺さず、周辺の関係者を殺傷することで、鬼平を苦しめるようにとの命令を受けていた2人だが、腕におぼえがあるものだから、仙右衛門の命を破って鬼平に勝負をいどんでしまった。
〔生駒〕の仙右衛門の命令を守りきれなかったのは、組織の中の人間ではなく、礼金めあての刺客だつたからであろう。
一方の仙右衛門としても、相手がそういう組織に組みこめない仁たちと割り切っておくべきだった。

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