『鬼平犯科帳』の1両の換算率
『鬼平犯科帳』が書きつづけられた足かけ22年間は、まさにわが国の高度成長期にあたっており、諸物価高騰による貨幣価値の下落がはげしかった。
池波さんも一両の換算率の変更に追われた。
[1-5 老盗の夢](1968)では1両を4,5五万円とみていた。
[19-1霧の朝](1987)では1両は10万円に。
『江戸切絵図散歩』(1987)では20万円に換算している。
1両20万円だと火盗改メの御頭の職務手当ては40人扶持(1日玄米2斗)。8万円という計算になるが、これでは組の経費をとうていまかないきれなかったようだ。
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