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2006.10.20

口合人リスト

「口合(くちあい)」という言葉は古くからある。保証して紹介するという意味の日本語である。
〔口合人〕は、池波さんの新造語でないかとおもう。
ニューヨークで耳にしたのは「パーソナル・エージェント」。

ふつうの「口入れ」ではなく、盗人を紹介するわけだから、よほど身許(?)がしっかりしていて、口が堅い人物という見極めがつかないといけない。
もちろん、盗人の側からの依頼もある。そのときも、希望をよく確かめて、そつのない頭領へつなぎをつけないとあとで問題がおきよう。

_14池波さんが〔口合人〕という裏世界の用語を使ったのは、シリーズの中ごろ--文庫巻14[尻毛の長右衛門]からである。〔鷹田〕の平十が〔布目〕の半太郎を〔尻毛〕の長右衛門に口合いした。それまでも紹介という行為はあった。〔前砂〕の捨蔵が〔蓑火〕の喜之助に3人を紹介して悲劇を生んだように。しかし、専門業種としてではなかった。

つぎの〔口合人〕リストで、池波さんの思いつきを辿ってみたい。

14-2 尻毛の長右衛門 鷹田の平十   p51 新p52
14-3 殿さま栄五郎   〃         p89  新p91
14-4 浮世の顔     音右衛門     p154 新p158
14-6 さむらい松五郎  赤尾の清兵衛  p252 新p260
                鷹田の平十   p286 新p294
16-4 火つけ船頭    塚原の元右衛門p189 新p203
21-7 寺尾の治兵衛   寺尾の治兵衛  p252 新p261
24-1 女密偵女賊     佐沼の久七   p10  新p10

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