口合人リスト
「口合(くちあい)」という言葉は古くからある。保証して紹介するという意味の日本語である。
〔口合人〕は、池波さんの新造語でないかとおもう。
ニューヨークで耳にしたのは「パーソナル・エージェント」。
ふつうの「口入れ」ではなく、盗人を紹介するわけだから、よほど身許(?)がしっかりしていて、口が堅い人物という見極めがつかないといけない。
もちろん、盗人の側からの依頼もある。そのときも、希望をよく確かめて、そつのない頭領へつなぎをつけないとあとで問題がおきよう。
池波さんが〔口合人〕という裏世界の用語を使ったのは、シリーズの中ごろ--文庫巻14[尻毛の長右衛門]からである。〔鷹田〕の平十が〔布目〕の半太郎を〔尻毛〕の長右衛門に口合いした。それまでも紹介という行為はあった。〔前砂〕の捨蔵が〔蓑火〕の喜之助に3人を紹介して悲劇を生んだように。しかし、専門業種としてではなかった。
つぎの〔口合人〕リストで、池波さんの思いつきを辿ってみたい。
14-2 尻毛の長右衛門 鷹田の平十 p51 新p52
14-3 殿さま栄五郎 〃 p89 新p91
14-4 浮世の顔 音右衛門 p154 新p158
14-6 さむらい松五郎 赤尾の清兵衛 p252 新p260
鷹田の平十 p286 新p294
16-4 火つけ船頭 塚原の元右衛門p189 新p203
21-7 寺尾の治兵衛 寺尾の治兵衛 p252 新p261
24-1 女密偵女賊 佐沼の久七 p10 新p10
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