葵小僧の展開(4) 解決に必然性
相州藤沢宿の秋山太兵衛さんとおまささんコンビの研究発表---
太兵衛さんのシートから。
『泥坊づくし』(青蛙房) 1952 河出文庫約2p
[江戸怪盗記]週刊新潮1964.01 角川文庫約25p.p
[妖盗葵小僧]オール讀物1968.11 文春文庫77p.p
心理描写が多く、読者の琴線に触れ、感情移入をそそる
容貌コンプレックスが異常な行為につながる。
性的犯行を具体的に、穀類に数回描写する。
人に話せない事(レイプ)がその人を蝕む。
レイプは殺しよりむごく、作品にと取り上げるのは難しかったと思う。
それを救うために、有無を言わせずに、時速に処刑する。
「人相書」「声色」、鶴やの仕掛けなど小道具を盛り込む。
解決への道筋が偶然でなく、必然性を前面に描く。
こそこそすると目立つ(堂々としていると信じてしまう)。
二度あることは三度ある。
人の弱みにつけ入るものがいる。
町奉行所との葛藤に平蔵のピンチをいれ、緊張感をもたらす。
平蔵の「処分処置」に、平蔵を「信頼できる人物」になっている。
(火盗改)過当被害小、(盗賊)惨殺多。
勧善懲悪色を強め、読後に爽快感と安定感ら残す。
おまささんの追加。
大名を装っているのだから、駕籠も立派な溜塗り駕籠だったろう。
そんな駕籠、普段はどこに隠していたんだろう。
大名などの溜塗り駕籠(喜多川守貞『近世風俗志』 岩波文庫)
町屋においておくと、目立つはず。
役者だったから、そのつど、専門の小道具屋からかりたのかな。
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