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2011.11.28

ちゅうすけのひとり言(83)

大塚吹上(ふきあげ)にあった陸奥守山藩邸6万3000坪を偲んでいる。

歴代の藩主・大学頭は定在府で参勤交代をしなかったというから、家臣の大半も代々藩邸に住んでいたであろう。
藩の政務もここで行っていたらしい。

いま、スポーツ広場とか憩いの広場、それに筑波大学、放送大学、区スポーツセンターの建物のある、いわゆる小日向(こひなた)台地に藩主の住まいと家臣の長屋があった。

庭園の占春園は、台地が千川へなだれている斜面を利用している。

藩史事典』によると、藩邸の長屋の間口は100石以上の家格で6~12間、並みの頭級だと3.5~5間だった。
奥行きは書かれていないが間口の3倍ほであったらしい。

長谷川家に養女にきた多可(たか 没年17歳?)が育った三木忠太夫は3.5間クラスではなかったか。

家格は別とし、2万石の大名で藩士は何人だったろう。
維新のとき、守山の陣屋が官軍と戦わずして降伏したのは、藩士が200人もいなかったことも理由の一つにあげられていた。(『水戸市史 中巻1』)

江戸藩邸内住まいの三木の2家が、むすめは幕臣の養女にと考えたのも、藩内に養家先が少なかったのと、家禄が低かったこともあったかもしれない。
藩士の家数は200家前後と推定されている(『福島県史 第3巻 通史編3』)。

話題を変える。

25年ほど前、23区内にあった江戸の稲荷1000社以上を、早朝に記録してまわったことがあった。
これにより、『鬼平犯科帳』にでてくる町や坂や橋、神社や寺ががそらんじられた。

まわった稲荷の一つに、吹上稲荷社(文京区大塚5丁目21)があった。
そのときは、奇妙な社号だなとおもっただけであった。

こんど、三木家が守山藩士とわかり、藩邸内に吹上(ふきあげ)稲荷があったことをしり、再訪した。

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(吹上稲荷神社 前景)

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神社略記より

元和八年(1622)徳川秀忠が下野国日光山より稲荷大社の御神体を戴き、江戸城中紅葉山吹上御殿に「東稲荷宮」と称し、海川山野産食物の神として崇敬し奉り、武家諸公の信仰が厚かった。
徳川家から水戸家の分家松平大学頭家へ、そして宝暦元年(1751)に大塚村民の鎮守神として現小石川4丁目に移遷し、崇敬者多数に及び武家の信仰も厚かった。
またこの時に、江戸城内吹上御殿に鎮座せられるを以て、吹上稲荷神社と改名奉った。
その後護国寺月光殿から大塚上町へ、そして大塚仲町と移遷し、明治45年(1912)に大塚坂下町(現在地)に遷座し奉り今日に及ぶ。

25年前に参詣したとき、根性を入れて略記を拝読していれば、松平大学頭の称呼も銘記したろうに。

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コメント

また一つ、訪れてみたいスポットを教えてくださいました。
吹上って、たしか、大塚あたりの地名になっていましたよね。
江戸城の吹上からきていたんですか。知りませんでした。

投稿: tomo | 2011.11.28 06:04

>tomo さん
時代の激変を痛感しています。
25年ほど前に23区内の稲荷をまわったときの記録は専用ワープロでフロッビー・ディスクでした。
写真もカラー・ネガで撮りました。
ところが、専用ワープロでの記録をパソコンへコピーしておこうと思っているうちに3.11で書斎が崩壊、残していた専用最高級ワープロ機も液晶ディスプレイが壊れてしまい、読み取り不能に。修理もすでに打ち切りと。
カラー・ネガも手間をかけなればパソコンにとりこめません。お金になる写真ではなし、手間もお金もかけられず死んだデータと化しました。

投稿: ちゅうすけ | 2011.11.28 10:30

反省。
自分がパソコンでブログを書いているため、アクセスしてくださっている鬼平ファンの方もパソコン画面でみてくださっているるとおもってきました。
来春からは、ツイッターなみに、140文字×αで書くようにします。
実験ブログのつもりです。
コメントとともに、ご吹聴ください。

投稿: ちゅうすけ | 2011.11.28 19:03

ちゅうすけさん
そのおこころづかいは無用なのでは。
真の鬼平ファンなら、いまのままのほうが十分に伝わりますよ。
ほかの鬼平ブログとは違い、内容がきわめて濃いのですから、140字では無理でしょう。、

投稿: 左兵衛佐 | 2011.11.30 09:09

>左兵衛佐 さん
ご意見、ありがとうございます。
もうすこし、いろんな方のお考えを聞きながら、いろんなテをさぐってみます。
これからもご意見を賜りたく。

投稿: chuukyuu | 2011.11.30 09:39

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