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2005.02.07

〔鬼坊主(おにぼうず)〕清吉

独立短篇[鬼坊主の女]『週刊大衆』1960年11月7日号に掲載)は、享和(1789-)から文化2年(1805)iにかけたかせぎまわった盗賊一味の首領。
『にっぽん怪盗伝』(角川文庫)に収録。

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年齢・容姿:[金太郎蕎麦](『小説現代』1963年5月号に発表。『にっぽん怪盗伝』(角川文庫)に収録)によると、40がらみ。痘痕(あばた)のあなだらけのどす黒い顔。躰は筋骨たくましい。
生国:諸田玲子『鬼あざみ』(講談社文庫)によると、江戸・牛込。

探索の発端:伊勢神宮の前で、藤堂家の侍たちに捕まったことになっているが、詳細は不明。なにしろ、江戸をはじめとして全国を荒らしまわった大盗賊なので、伊勢から江戸へ護送されて取調べを受けた。

結末:文化2年6月27日、乾分の入墨吉五郎、左官粂次郎とともに、江戸市中引き回しの上、品川の刑場で磔の刑。
市中引きまわし中、大辻ごとに馬を止めさせ、妾のお栄にいって浪人者に代作させた辞世の歌「武蔵野に名ははびこりし鬼あざみ、きょうに暑さに少し萎(しお)れる」と唱した。

つぶやき:『大日本人名辞書』(明治19年 1886 刊。講談社復刻)には、
「オニバウズ セイキチ 鬼坊主清吉 兇賊、強盗追剥等を犯し天下に出没す。勢州にて縛に就き文化 2年 4月26日江戸に押送せられ 6月26日他賊 2人と引廻しの上千住に梟せらる。辞世の狂歌「武蔵野に名もはびこりし鬼薊今日の暑さに乃て萎るる」浅草新鳥越町妙光山圓常寺に墓あり(街談文々集要)

『大日本人名辞書」は、刑場が品川(鈴が森)でなく千住と記録されているのと、処刑日が27日でなく26日となっている点に注目。

墓はその後、雑司が谷霊園へ移転。墓地番号 1種 8号 。

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雑司が谷霊園・鬼坊主の墓域指標。

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正面左が墓石。なぜか香華が絶えない。

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コメント

テレビ鬼平=吉右衛門さんの[鬼坊主の女]の〔鬼坊主〕清吉役はたしか、ガッツ石松さんでしたよね。

ガッツさんは、同じテレビ鬼平=吉右衛門さんの[明神の次郎吉]の次郎吉役も演じていらっしゃったように記憶しています。

この件、ビデオにお詳しいedoaruki さんか、姫宮恵子先生にお尋ねすべきでした。

投稿: 加代子 | 2005.02.07 19:10

 ビデオで見る鬼薊清吉の情婦お栄を光本幸子さんが演じていますが、お栄は金のために清吉に抱かれても決して愛情を感じていませんね、それはビデオで「脂ぎった身体の臭い醜男」の清吉にお栄が「自分が清吉に尽くしておれば店の一軒でも呉れる」と思ったから、ところが清吉の密かに自分の寝床の下で六百両もの大金が眠っていたことを知って「畜生、親方も水くさいじゃないか」と思わず本音を漏らしています。
 ところが処刑場への引き回しで鬼薊清吉が大勢の見物客を相手に声を張り上げ歌を唱えると舞台の役者を感じ、すっかりのぼせ上がって自分も舞台に上がったような気分になります。
 「鬼平犯科帳」のビデオではお栄は長谷川平蔵に捕まっていますが、殺された浪人の子供に百両の金をやるなど憎めない女を演じています。
「鬼坊主の女」は「金太郎蕎麦」と一緒の話ですがお竹の冷静な気持ちとは良い対照です。
 本当に六百両の金を手にしたお栄に若い男を毒殺して後腐れの無いようにするなど現実に生きる計算高い女(年をとると)の性格を見たような気がします。

投稿: edoaruki | 2005.02.08 10:13

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