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2005.05.14

〔花輪(はなわ)〕の万蔵

『鬼平犯科帳』文庫巻9の[白い粉]で、本郷の湯島天満宮・門前の料理屋〔丸竹〕の2階座敷で相談している3人の盗賊の首領たちの1人。
ほかは、武州・上州から信州へかけてをテリトリーとしている、〔駒羽(こまばね)〕の七之助と、「江戸の他では盗めはしねえ」と自慢している〔霰(あられ)〕の小助。
組織(しくみ)はいずれも小規模である。
(参照: 〔駒羽〕の七之助の項)
(参照: 〔霰)〕の小助の項)

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湯島天満宮(『江戸名所図会』より 塗り絵師:ちゅうすけ)

年齢・容姿:35歳で駒羽〕の七之助と同じ。容姿の記述はない。
生国:甲斐(かい)国巨摩郡(こまこおり)東花輪村か西花輪村(現・山梨県中巨摩郡田富(たとみ)町東花輪か西花輪)。
『大日本地名辞書』には、ほかに、栃木県勢多郡東(あずま)村の花輪と、秋田県鹿角(かづの)市花輪、岩手県宮古市花輪があげられているが、テリトリーに信州が入っているので、山梨県を採った。
甲府盆地中央東部にある東・西を冠した花輪村の東側を笛吹川が南流れている。同川が山にあたって曲折している姿から、江戸期以前には「鼻輪」と呼ばれていたと。

事件の発端と結末:駒羽(こまばね)〕の七之助の項に同じ。

つぶやき:中小組織の盗賊たちが、盗めの規模に応じて人手の貸し借りをするのも、芝居での俳優や裏方の貸し借りをヒントにした、池波さんの考案だろう。
芝居は、俳優にとどまらず、いろんな職種の裏方を必要とする。それが盗賊一味の盗めでの分担に擬せられている。

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コメント

〔駒羽〕の七之助の項で、みやこのお豊さまがおっしゃっていたコメント---人妻を人質にとるなんて、最低の盗賊ですね。

妻や恋人を誘拐されたら、亭主や恋人の情人(いろ)たるもの、なにはともあれ、その救出に全力をあげざるをえません。

また、そうしないと、社会生活からはじきだされてしまいます。

もちろん、人質をとった側は、社会の裏側で生きている連中ですから、社会生活なんてないに等しいから、できるのですね。
もし、表の生活を営んでいて、人妻や子どもの誘拐をやつたら、生きてはゆかれないでしょう。また、社会は重刑をあたえるべきなのに、いまの刑罰は軽すぎますね。

投稿: 文くばり丈太 | 2005.05.15 09:40

>文くばり丈太さん

法学部出身ではないので、誘拐に対するいまの刑量の判例がどうなっているかしりませんが、徳川幕府がきめた刑量集『御定書(おさだめがき)』の第61条は、

一、人を勾引(かどわかし)候者 死罪。

条件も情状酌量もありません。きっぱり、死罪。
文句なしに、卑怯な犯罪ときめつけています。

投稿: ちゅうすけ | 2005.05.15 09:50

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