〔竹尾(たけお)〕の半平
[『鬼平犯科帳』文庫巻22、特別長篇[迷路]の影の首領〔猫間(ねこま)〕の重兵衛(50代半ばか)の配下〔竹尾(たけお)〕の半平は、組んでいる〔法妙寺(ほうみょうじ)〕の九十郎(50がらみ)一味との連絡役をつとめている。
(参照: 〔猫間〕の重兵衛の項)
(参照: 〔法妙寺〕の九十郎の項)
現役をよそおってお熊の茶店〔笹や〕に居候をしている密偵〔玉村(たまむら)〕の弥吉へ、九十郎の使者として連絡にきたのも、半平だった。
(参照: 〔玉村〕の弥吉の項)
年齢・容姿:50前か。ていねいな口調。するどい眼光。
生国:越後(えちご)国蒲原郡(かんばらこうり)竹尾村(現・新潟県新潟市竹尾)。
紀伊国伊都郡高野口町竹尾(現・和歌山県)ももっともな候補地だが、〔猫間〕の重兵衛一味ということで、関東により近い越後とした。
探索の発端:九十郎の伝言をもって弥吉のもとへあらわれた半平を尾行(つ)けた同心・松永弥四郎が、深川・黒江町の釣具屋〔竹吉〕を探りあてた。
さらに尾行をつづけ、半平が年増の女房と住んでいる京橋・柳町のしもたも発見された。そこで半平は、表の仕事としてご用聞きの書物屋をやっていた。若い頃から15年間、上野・山下の五條天神門前にある書物問屋〔和泉屋〕でやった修行を生かしたのである。
決定的な確証は、〔玉村〕の弥吉が、かつて〔赤堀(あかほり)〕の嘉兵衛一味にいたときに顔見知りだった座頭・徳の市が、鉄砲洲の薬種屋の〔笹田屋〕から出てくる姿を見かけたことによるのだが。
(参照: 〔赤堀〕の嘉兵衛の項)
結末:芝・田町7丁目の盗人宿の宿屋〔摂津屋〕の盗人宿も発見され、半平の住まいもふくめて、すべての根城が火盗改メに急襲され、ほとんどの盗賊が捕縛された。
つぶやき:〔竹尾〕の半平が、〔法妙寺〕の九十郎一味だったら、和歌山県の「竹尾」のほか、徳島県美馬郡木屋平村竹尾の出身としてもよかった。
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