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2006.11.09

御茶ノ水・水道橋

某サイトで[構図と描写]のタイトルで2日だけアップしたものを、[雪旦の江戸・広重の江戸]と改題してつづけて行きたい。

口上:

絵師・長谷川雪旦『江戸名所図会』に挿し絵を670余景提供した。
絵が細緻をきわめているため、江戸を書く時代小説作家はもちろん、江戸に興味をもつ人たちは手放せない。
雪旦の白黒の絵に「大人の塗り絵」と称し、彩色して現代によみがえらせる人たちもいる。

版元から『名所江戸百景』の企画を持ちかけられた広重は、さっそく、『江戸名所図会』の企画・著述をした草分(くさわけ)名主の斉藤月岑を訪ねて、雪旦の絵から想を借りることもあると、許しを乞うたといわれている。

地誌の挿し絵を描いた雪旦と、売りものの錦絵で描いた広重を比較してみる。


御茶ノ水・水道橋

四季おりおりのお茶の水辺の川ぞい風景を漢詩の世界になぞらえ、茗渓などと愛でた教養ある風流人たち。

雪旦の写実は、水道橋と懸樋を配し、その風韻を正直に伝える。
(塗り絵師・靖酔 鬼平熱愛倶楽部)
020_2

画面いっぱいに鯉のぼりを泳がせた広重。 見る者を圧倒するのは、さすが広重だが---。
320_3

さて、その構図は、水道橋でなければならないか?
神田川の風味を正しく掬みとっているか?

伝達と情味の違い、語りと歌の違いであろうか。

拡大画像は、↓クリック
0020御茶の水 水道橋 神田上水懸樋(かけとい)

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コメント

雪旦と広重がwho's whoにて復活塗り絵ファンとしては大変うれしいことです。

広重の見せる絵の構図に驚き、感嘆しますが、研究者にとって雪旦の細部にわたる描写に軍配をあげます。

楽しみにしております。

投稿: 靖酔 | 2006.11.09 08:32

ここだと、どれぐらいの人の眼にふれるか予想もつきませんが、鬼平好きの方の眼には入りましょうね。
ただ、熱愛の塗り絵師たちが、どれぐらい見るか、ですね。

投稿: ちゅうすけ | 2006.11.09 13:16

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