狐火
王子・装束畑衣装榎
大晦日の夜、関東全域の稲荷社から、名代(みょうだい)の命婦(みょうぶ)のキツネたちが集まったきて、榎の下で装束を改めたのちに参内して位階を授かるとのだと。
(塗り絵師・豊麻呂 鬼平熱愛倶楽部)
雪旦の絵に、斉藤月岑はこんなキャプションを付している。
「毎歳十二月晦日の夜、諸方の狐夥しくここに集まり来(きた)ること恒例にして、いまにしかり。その灯(とも)せる火影(ほかげ)によりて、土民明くる年の豊凶を卜(うらな)ふとぞ。このこと宵にあり、また暁にありて、時刻定まることなし」
広重は、縦位置だから割りをくっているが、右から群れをなしてくるキツネがおどろおどろしい。 。
拡大画像は、↓クリック
0493装束畠衣装榎
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コメント
雪旦の江戸、広重の江戸スタートに「装束畠衣装榎」の絵をアップして戴き有難うございます。
昨年10月に「王子詣でウォーキング」がありまして、この
絵の不思議な雰囲気を出すのに、広重の絵参考にして彩色しました。当然、広重の絵とは違いますが、夕闇に狐火の情感
を出すのに苦心しました。
数多い「江戸名所図会」の中でも好きな絵の一枚です。
投稿: 豊麻呂 | 2006.11.09 21:44
この絵の主人公は、命婦である狐たちです。
狐が風景の中に沈みこまない工夫が第一ですね。
投稿: ちゅうすけ | 2006.11.10 06:09