〔乙畑(おつばた)〕の源八
[19-6 引き込み女]は、密偵おまさが、〔乙畑(おつばた)〕の源八一味にいて〔引き込み〕を手伝っていたとき、同様に〔引き込み〕をしていたお元(もと 35,6歳)が物語の中心とたなっている篇である。おまさは、お元と仲がよかった。
この篇に、〔乙畑〕の源八は、こう書かれている。
おまさとお元の〔お頭〕だった乙畑の源八は、ずっと以前に病死してしまい、以来、一味の盗賊たちは四散してしまった。p267 新装p278
『鬼平犯科帳』シリーズへのおまさの登場は、[4-4 血闘]で、
おまさに、平蔵が二十年ぶりに再会したのは、去年(天明8年)の十月初旬の或日のことだ。
おまさのほうから、役宅へ名のり出て来たのである。p136 新装p143
このおまさによって〔乙畑の源八一味〕が〔火盗改メ〕に捕らえられたことはもちろんだが、その後、平蔵は、おまさを密偵にするつもりはなかった。p138 新装p144
[5-3 女賊]にも、こう、ある。
おまさの自白によって、乙畑の源八一味を長谷川平蔵が捕らえたのは、去年の十二月七日である。
そのとき、おまさは平蔵のために女密偵としてはたらく決意をかため、乙畑一味を裏切ったわけだ。
ために平蔵は乙畑一味十二名を一網打尽(いちもうだじん)にしたとき、これをあくまで隠密(おんみつ)にはからい、ひそかに島送りとしてしまった。p85 新装p90
さて、〔乙畑〕の源八は病死か獄死か。
一味は解散か島送りか。
常識的な推測だと、初めに書かれたほうが池波さんの心に近いといえようか。
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コメント
2009.3.8の呼び出しで、引き込み女・お元のが、50音検索の[あ行]末尾の女盗賊の項にリンク再採録されていないことが分かりました。なるべく早めにリンクを張っておきます。
投稿: ちゅうすけ | 2009.03.08 05:11
「お元」については50音別検索「あ」行にはまだ載ってませんが、バックナンバーの2005年5月4日「引き込み女 お元」で知ることができます。
投稿: みやこのお豊 | 2009.03.08 12:55
>みやこのお豊さん
そうでした。それで、お元にもリンクを張りつけました。
なにせ、まもなく1,600件をこえる記録になるので、自分でも覚えきれなくなつています。
第1ページ右サイドの検索ワクで、先ずリサーチをかけるようにしているのですが、検索用語が不適切だと、データがあってもヒットしないことがあるので、今回のまとめで、大分、補い箇所がわかってきたので、暇をみて、補正しまい。
投稿: ちゅうすけ | 2009.03.08 17:16