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2005.05.11

〔平瀬(ひらせ)〕の音吉

『鬼平犯科帳』文庫巻21の掲載の[春の淡雪]で、神楽坂・毘沙門横町に薬種店を構えている〔池田屋〕五平は、じつは正統派の首領である。その五平の参謀役---とはいえ、端役のあつかい。

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(参照: 〔池田屋〕五平の項)

年齢・容姿:60歳前後。容姿の記述はない。
生国:飛騨(ひだ)国大野郡(おおのこうり)平瀬村(現:岐阜県大野郡白川村平瀬)。
『旧高旧領』にはほかに、三河国加茂郡平瀬村(現・愛知県東加茂郡平瀬村)と甲斐国山梨郡平瀬村、信濃(しなの)国安曇郡平瀬村(現・長野県松本市北部、梓川と奈良井川の合流点あたり)もあるが、近江国甲賀(滋賀県甲賀市)の出身である〔池田屋〕五平との地縁から推定すると、飛騨の平瀬村がもっとも濃いと見る。

探索の発端:〔池田屋〕が火盗改メの見張り下に入った経緯は、2005.04.08の〔池田屋〕五平の項に記したので、省略。

結末:〔池田屋〕にいた5名は、神妙に逮捕された。

つぶやき:〔池田屋〕が薬種店を装っているところが、まず、おもしろい。甲賀は、〔忍者丸〕とか〔乳のたる薬〕〔首から上の薬〕などの家庭薬の産地であった。
この〔池田屋〕のロケーションについて、聖典は、

毘沙門横町は突き当って、左へ折れている。その角地に池田屋があった。
突き当りが川口志摩守とていう大身旗本の屋敷で、そこの門長屋の窓から、池田屋の表口がすっかり見わたせた。

川口志摩守の家禄は300俵で、「大身旗本」などとは呼べない。池波さんは「志摩守」の爵位にだまされたのだろう。

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コメント

へえ。川口志摩守は、たったの300俵取りでしたか。

池波先生は、そういうことを調査してくれるアシスタントをお持ちじなかつたのでかねえ。

投稿: 文くばり丈太 | 2005.05.13 14:11

>文くばり丈太さん

池波さんは、自分で調べ、納得したことでないと、承知できない人だったのではないでしょうか。
対談を読んでみると、よくわかります。対談者から学ぶケースはほとんどなく、もっぱら自説を開陳する一方なんですね。

ですから、川口志摩守のことだって、ちょっと頼めば300俵の家禄とわかるのに、それをしなかろった---いや、できなかった。

もちろん、独自の意見も尊いです、とりわけ、作家の場合は、ね。

投稿: ちゅうすけ | 2005.05.13 14:57

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