〔三沢(みさわ)〕の磯七
『鬼平犯科帳』文庫巻14に収められている
(参照: 〔神取〕の為右衛門の項)
(参照: 〔藪塚〕の権太郎の項)
と、いうのも、権太郎が、気絶している若い村娘(17,8歳)をレイプしようとするのを止めようとして争いになったからである。場所は巣鴨に近い滝野川の雑木林の中だった。
年齢・容姿:45,6歳か。小肥り。
生国:甲斐(かい)国八代郡(やつしろこうり)三沢村(現・山梨県西八代郡下部町三沢)。
.〔神取〕の為右衛門一味の千住、品川とある盗人宿の中でも、中仙道ぞい板橋の旅籠〔上州屋〕を割り当てられているところから、上記の「三沢村」と信濃国諏訪郡の「三沢村」と見た。甲斐国出身の為右衛門との地縁からいって下部町の三沢を採った。
多摩郡の三沢(現・日野市)では、一味を抜けて帰ってくれば、噂が立とう。
磐城国刈田郡の三沢だと、千住宿の盗人宿・搗米屋へ泊められたろうし、遠江国周知郡の三沢からだと品川に設けてある古着屋を割り当てられたはずだ。
探索の発端と結末:権太郎の悲鳴に、村人が駆けつけて、2つの死体を発見した。もう1つは権太郎たちが撲殺した敵討ちの旅をしていた佐々木典十郎(27歳)だった。かつての剣友でいまは鳥羽3万石の家中からの鬼平あての手紙を懐中に持っていたので、事件は火盗改メ扱いとなった。
しかし、〔三沢〕の磯七の行方はついにわからなかった。
つぶやき:「男が下帯をはずすときといえば、厠に用があるときと、女を、な」と断じて、岸井左馬之助を感心させる鬼平だが、このあたりも、左馬之助の純なところを暗示している。
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