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2006.01.26

医生(いせい)・山本弁二郎

『鬼平犯科帳』文庫巻11に収められている[土蜘蛛の金五郎]の篇の、主人公・盗賊の首領〔土蜘蛛(つちぐも)}〕の金五郎(50がらみ)の甥にあたる山本弁二郎は、〔土蜘蛛〕一味が江戸でのお盗めを企んだとき、信州・上田を出、幕府の表御番医・井上立泉の新銭座の宅に近い三島町に住み込んで、立泉方の医生に化ける機会を狙っていた。
(参照: 〔土蜘蛛〕金五郎の項)

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年齢・容姿:若者とあるが、上田で医者を開業していたというから、20代も後半か。いかにも医生らしいものごし。
生国:信濃(しなの)国小県郡(こがたこおり)上田(現・長野県上田市)。

探索の発端:市中見廻りの途中、立ち寄った下谷・車坂代地の蕎麦屋〔小玉屋〕で、格安の飯屋の噂話を小耳にはさんだ鬼平が、疑いをいだいて内偵をはじめた。
食いつめ浪人に扮した鬼平は、根岸に居をかまえている〔土蜘蛛〕に接近するとともに、出入りする山本弁二郎や浪人たちの看視もすすみ、2カ所の盗人宿もつきとめられていた。

結末:鬼平に化けた岸井左馬之助との偽の一騎打ちを演じた鬼平は、岸井鬼平を殪す。それで安心していた〔槌蜘蛛〕一味15名は全員逮捕。死罪であろう。医生を演じた山本弁二郎はまだ盗みをはたらいていないから、江戸追放か。

つぶやき:池波さんは、取材で旅館へ宿泊しても、作家であることを明かさず、「化け」の楽しみと名づけて、女中がどんな職業に見てくれるかを楽しみにしていた。一番目が呉服屋、二番目が刑事であったそうな。

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