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2006.02.26

老僕(ろうぼく)・吉六

『鬼平犯科帳』文庫巻11の冒頭の[男色一本饂飩]事件の主人公・寺内武兵衛(中年)は、算者指南の看板をかかげながら、出入り先の詳細を探り、盗みに役立てている。その武兵衛の因幡町2丁目の住まいで老僕をしているのが吉六である。
(参照: 浪人・寺内武兵衛の項)
暮らしているのは2人きりなのは、、武兵衛の趣味の一つが男色で、女性に興味がないからである。といって吉六がその相手というわけでは、むろん、ない。武兵衛のその趣味について、吉六は好ましくはおもっていない。

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年齢・容姿:老爺としか書かれていない。2年前から住みついており、近所づきあいを吉六が一手に引き受けているほど、愛想はいい。
生国:武兵衛との付き合いが古いとすると、同様に加賀の生まれか。

探索の発端:深川の海福寺門前の一本饂飩の〔豊島屋〕を出てから役宅の長屋へ帰ってこない木村忠吾を、火盗改メは全力をあげて捜索をはじめた。と、〔豊島屋〕の女中お静が、その日のことをよく覚えていて鬼平へ告げた。さらにお静は、三ッ橋のかかる楓川岸を歩いている寺内武兵衛を偶然にみかけて後をつけ、因幡町2丁目あたりに住んでいることをつきとめた。

結末:そのお静を、吉六が捕らえようとして、逆に捕縛された。武兵衛の盗みに加担していたら、死罪であろう。

つぶやき:吉六に、武兵衛は「両刀遣いだが、どちらかというと、女のほうが嫌いだが」という。妙ないい方なので、気になった。池波さんは、こういういい方をさせて、武兵衛の異常な神経を暗示したかったのであろうか。
ふつうなら、「若い男のお尻のやわらかい肉(しし)置きのほうが、女よりも好きだ」というところだ。

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