駿河町
駿河町 越後屋呉服店
雪旦の絵には、
元日のみるものにせん不二の山 宗鑑
が添えられている。
元日、商店は表戸をおろして、大晦日、遅くまで商いに精をだした慰労と売り上げの〆をおえて、朝寝をむさぼっていよう。
そんなときにこれだけの人出?---と疑えば、季節は春、富士がまとう雪も五合目あたりかもしれない。
しかし、宗鑑の句は、伊達には添えられていまい。
富士は白無垢の上衣を羽織っているとみたい。
雪旦は、通りをはさんで越後屋を左右に、真正面には霊峰を配した。日本一の景色を持つ町である。この景観は残してほしかった。
(塗り絵師・笛吹川の博介 朝日カルチャーセンター新宿 元[鬼平]クラス)
広重は、縦位置に雪旦の間口をせばめただけみたい。土産絵にはそれで十分だったか。
江戸の駿河にも日本一があり 古川柳
蛇足だが、広重が『名所江戸百景』中で、霞をたなびかせた唯一の例。
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コメント
奇を衒う広重もここではおとなしく無難な構図ですね。
さすが広重も手の施しようがなかったのでしょうか。
投稿: 靖酔 | 2006.11.10 11:43
広重のほかにも、ここの絵ほ描いたのがありますが、どうしょうもないみたい。
しかし、広重は縦位置だから、空が広くなりすぎてもと、視点を雪旦よりあげてますよね。工夫ですね。
雪旦は二階の屋根の高さの視点。
投稿: ちゅうすけ | 2006.11.10 11:48
広重の絵は大胆にも縦位置の構図にしてますが、雪旦の絵は
遠近法で繊細に描かれ、横位置の構図の方が迫力を感じる。
好きな絵の一枚です。
投稿: 豊麻呂 | 2006.11.11 06:28
広重は、越後屋三井呉服店の屋根瓦をブルーにしてます。
本所瓦町あたりで焼いたのは、関東ローム層の土だから、黒というより黒ねずみ色に焼きあがるはず。
ブルーの瓦を、まさか、松坂から運んできたわけではないでしょう。
とすると、広重は、なぜ、ブルーにしたのでしょう?
投稿: ちゅうすけ | 2006.11.11 06:58