« 高輪うし町 | トップページ | メトロカード・文楽 »

2006.11.10

駿河町

駿河町 越後屋呉服店

雪旦の絵には、
 元日のみるものにせん不二の山 宗鑑
が添えられている。
元日、商店は表戸をおろして、大晦日、遅くまで商いに精をだした慰労と売り上げの〆をおえて、朝寝をむさぼっていよう。
そんなときにこれだけの人出?---と疑えば、季節は春、富士がまとう雪も五合目あたりかもしれない。

しかし、宗鑑の句は、伊達には添えられていまい。

富士は白無垢の上衣を羽織っているとみたい。

雪旦は、通りをはさんで越後屋を左右に、真正面には霊峰を配した。日本一の景色を持つ町である。この景観は残してほしかった。
(塗り絵師・笛吹川の博介 朝日カルチャーセンター新宿 元[鬼平]クラス)
006_1

広重は、縦位置に雪旦の間口をせばめただけみたい。土産絵にはそれで十分だったか。
 江戸の駿河にも日本一があり 古川柳
320_16

蛇足だが、広重が『名所江戸百景』中で、霞をたなびかせた唯一の例。

拡大画像↓クリック

0006駿河町三井呉服店

|

« 高輪うし町 | トップページ | メトロカード・文楽 »

169雪旦の江戸・広重の江戸」カテゴリの記事

コメント

奇を衒う広重もここではおとなしく無難な構図ですね。

さすが広重も手の施しようがなかったのでしょうか。

投稿: 靖酔 | 2006.11.10 11:43

広重のほかにも、ここの絵ほ描いたのがありますが、どうしょうもないみたい。

しかし、広重は縦位置だから、空が広くなりすぎてもと、視点を雪旦よりあげてますよね。工夫ですね。

雪旦は二階の屋根の高さの視点。

投稿: ちゅうすけ | 2006.11.10 11:48

広重の絵は大胆にも縦位置の構図にしてますが、雪旦の絵は

遠近法で繊細に描かれ、横位置の構図の方が迫力を感じる。

 好きな絵の一枚です。

投稿: 豊麻呂 | 2006.11.11 06:28

広重は、越後屋三井呉服店の屋根瓦をブルーにしてます。
本所瓦町あたりで焼いたのは、関東ローム層の土だから、黒というより黒ねずみ色に焼きあがるはず。
ブルーの瓦を、まさか、松坂から運んできたわけではないでしょう。
とすると、広重は、なぜ、ブルーにしたのでしょう?

投稿: ちゅうすけ | 2006.11.11 06:58

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 高輪うし町 | トップページ | メトロカード・文楽 »