« 薬師の泉と総泉寺 | トップページ | 〔福うさぎ〕まんじゅう »

2007.02.08

『江戸買物独案内』町ごと

『鬼平犯科帳』は、富裕な商店を襲う盗賊団、それを捕捉する火盗改メ・長谷川組の物語である。

これを、リアリティを持たせて描くには、商店側の史料が必要。

池波さんが座右においていたのが、『江戸買物独案内』(文政7年 1824刊)と京都の『商人買物独案内』であったことは、いまでは、『鬼平犯科帳』を人一倍楽しんでいる通のあいだでは、常識になっている。

ただ、困るのは、『江戸買物独案内』にしろ『商人買物独案内』にしても、業種別に編集されているところ。
というのは、大きいところでは1店で7業種も8業種も兼営している。

真綿問屋と思っていると、呉服問屋のページにも名前を出している。つまりこの問屋は、呉服が本業であって、真綿は副業である。
だから、真綿問屋を襲ったと書いては、間違いに近い。

こうしたミスを防ぐには、『江戸買物独案内』の2,622枠の名刺広告をすべて切断し、町ごとに並べ替え、同じ屋号、同じ屋標(商店のマーク)のものを隣りあわせにするしかない。

そう思いたち、10年ほど前から、暇をみては町ごと『買物独案内』をつくってきた。

もっとも大きな問屋がならんでいた本町1丁目から4丁目までを示す(このブログの制限で図版は小さくしか掲示できない。あらためて、もう一つのブロク---[大人の塗り絵]のほうへ、順次掲示する計画を立てているので、今日のところは、これでご容赦を。)
同じ色のドットが、同じ店の経営である。

Photo

2360

360_16

兼業がけっこう多いことをおわかりいただくだけで、今日のところはよしとしたい。

|

« 薬師の泉と総泉寺 | トップページ | 〔福うさぎ〕まんじゅう »

161小説まわり・ロケーション」カテゴリの記事

コメント

いつも講座で地図資料を頂き、便利に拝見しておりましたが、気の遠くなるような大変なご研究の結果だったのですね。

こうして出来上がった新しい「買物独り案内」から新たな発見がありそうです。

投稿: みやこの豊 | 2007.02.09 01:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 薬師の泉と総泉寺 | トップページ | 〔福うさぎ〕まんじゅう »