« 巣鴨の三沢仙右衛門宅とその近辺 | トップページ | 『江戸買物独案内』町ごと »

2007.02.07

薬師の泉と総泉寺

[12-4 密偵たちの宴(うたげ)]は、鬼平配下のヴェテラン密偵たちが、このところの盗賊たちのあまりに没義道な犯行ぶりに、模範演技(?)を示してやろうじゃないかと、笑うに笑えない正義心を燃えあがらせる。

「よしなさい」と止めたのは女密偵おまさだが、テレビでは、ラストで、泥酔した梶芽衣子さんが伊三次や粂八に浴びせる罵詈雑言が見もの。

さて、この篇に登場する橋場の名刹・総泉寺は、関東大震災で壊滅的な被害を受け、板橋区小豆沢3丁目の大善寺と合併して現在地へ移転してきた。

大善寺といえば『江戸名所図会』でも、清水薬師像を守護する寺院として描かれている。
『図会』670余景の中にもわずかに10景しかない積雪シーン。

360_14
「清水薬師・清水坂」(部分 塗り絵師:ちゅうすけ)

描かれている薬師の泉は、いまは区が管理・公開。

薬師像は、移転してきた総泉寺の境内に新築の、絢爛たるお堂に収まった。

見ものは、総泉寺の新装の本堂。まだ未完成らしく、正面には工事柵がめぐらされているが、なんとも、はや、その石段の異様なこと。
360_15

中央に龍虎の彫刻をほどこした石材を置いているのだ。このような石段は、北京の故宮で見た記憶があるだけ。
仏を皇帝扱いしているとしかおもえない。

Photo_284

いまごろ、お釈迦さまもくしゃみなさっているのでは---。

|

« 巣鴨の三沢仙右衛門宅とその近辺 | トップページ | 『江戸買物独案内』町ごと »

161小説まわり・ロケーション」カテゴリの記事

コメント

その後、総泉寺の役僧に質したところでは、工事・建設は完遂しているが、階段の石の彫刻(下のは亀が数匹、上のは竜)や彫刻をほどこした柱にいたずらされないように遮断しているのだと。

そういいなから、葬儀は別の葬儀会場、集会は仮本堂で行っているらしい。

投稿: ちゅすけ | 2007.02.25 17:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 巣鴨の三沢仙右衛門宅とその近辺 | トップページ | 『江戸買物独案内』町ごと »