〔鳥浜(とりはま)〕の岩吉
『鬼平犯科帳』文庫巻24の[女密偵女賊]』で、女賊お糸(36,7歳)と夫婦約束をしている、錠前破りの名人〔押切(おしきり)〕の駒太郎が、約束の日時になっても待ち合わせ場所---天現寺の毘沙門堂前の茶店へ現れなかった。
(参照: 女賊お糸の項)
(参照: 〔押切〕の駒太郎の項)
年齢・容姿:52歳。鉤鼻。
生国:越前(えちぜん)国三方郡(みかたこおり)三方村鳥浜村(現・福井県三方郡三方町鳥浜)。
横浜市金沢区の鳥浜町は、昭和46年(1971)に埋立地につけられた町名なので、対象から外した。
探索の発端:そのとき駒太郎は、〔鳥浜(とりはま)〕の岩吉の一味に加わっていたが、首領・岩吉の荒っぽい盗めのやり方につくづく愛想をつかしていた、とお糸がむかしなじみの密偵おまさに離したことから、岩吉への探索がはじまった。
〔鳥浜〕一味の盗人宿、駒込の吉祥寺裏の植木屋のことは、駒太郎を岩吉へつないだ口合人〔佐沼(さぬま)〕の久七(70すぎ)が洩らした。
(参照: 〔佐沼〕の久七の項)
結末:駒込の吉祥寺裏の植木屋〔植半}で、〔鳥浜〕一味13名が捕縛されたが、〔押切〕の駒太郎の姿はその中にはなかった。しつこく一味を抜けたいといったので、岩吉が仕掛人に金を使って惨殺させていた。
つぶやき:〔押切〕の駒太郎を仕掛けたのは、浪人・森七兵衛だが、その遺体の始末については記述されていない。
(参照: 仕掛人・森七兵衛の項)
もちろん、女賊のお糸からは捜査願いは出せまいが、いくら捜査技術がとろかった江戸時代といえども、惨殺した遺体の始末を怠れば、奉行所が動いたとおもうのだが。
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