« 〔須磨(すま)〕の音次郎 | トップページ | 〔蛇骨(じゃこつ)〕の半九郎 »

2005.11.16

〔押切(おしきり)〕の駒太郎

『鬼平犯科帳』文庫巻24の[女密偵女賊]』で、独りばたらきの女賊お糸(36,7歳)と夫婦約束をしている、これまた独りばたらきの錠前破りの名人〔押切(おしきり)〕の駒太郎が、約束の待ち合わせ場所へ現れなかった。
駒太郎は、5日前に〔鳥浜(とりはま)〕の岩吉(52歳)一味と、芝口の畳表問屋〔清水屋〕経押し入り、そのお盗めは終わっているはずだ、と、お糸は尋ねたおまさにいった。場所は、広尾の毘沙門堂門前の茶店。
(参照: 女密偵おまさの項)
(参照: 女賊お糸の項)
(参照:〔鳥浜〕の岩吉の項)

224

年齢・容姿:どちらも記述されていない。が、40前か。
生国:不明。親子2代つづいての盗め人というから、江戸生まれと推量はしているが。

探索の発端:渋谷の宝泉寺の門前で花屋をやりながら口合人をしている〔佐沼(さぬま)〕の久七の口から、〔押切〕の駒太郎の名がでたことから、探索がはじまり、〔鳥浜〕一味へ嫌疑がかかった。
(参照: 〔佐沼〕の久七の項)

結末:〔鳥浜〕一味は、駒込の吉祥寺裏の植木屋の盗人宿で捕縛され、岩吉が駒太郎を殺害させたことを自白した。
殺したのは、仕掛人の浪人〔鎌鼬(かまいたち)〕の七兵衛で、鬼平は、お糸の目の前で、七兵衛をしとめる。

つぶやき:「押切〕という地名は、平凡社の 『日本歴史地名大系』の「総索引」では、山形県から大分県まで30か所にある。これでは、なんらかの手がかりがないかぎり、推定は困難。
11月10日にアップした、同じく〔押切〕を「通り名(呼び名)」としている定七は千葉県君津市と確定できたが。

|

« 〔須磨(すま)〕の音次郎 | トップページ | 〔蛇骨(じゃこつ)〕の半九郎 »

146不明」カテゴリの記事

コメント

出身地の小布施に「押切」という部落の地名があります。後に「羽場」と合併して「押羽」になるのですが、「押切」の地名源には何か意味がありそうですね。「羽場」はどうも矢打場だったようです。
ところで、西尾さん、本をありがとうございました。一週間ほど時間を下さい。

投稿: ヌマピー | 2005.11.17 13:09

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 〔須磨(すま)〕の音次郎 | トップページ | 〔蛇骨(じゃこつ)〕の半九郎 »